8/3 東大地震研究所一般公開に行く |
(写真)2010年チリ中部沿岸の地震による津波が太平洋を横断するシミュレーション画像
8月3日、東京大学農学部のキャンパスの片隅で、ひっそりと「第19回 東京大学地震研究所 一般公開・公開講義」が開催されていたので、足を運んできました。最寄駅は南北線の東大前駅です。丸ノ内線の本郷三丁目駅からはかなり遠いのでお勧めできません。
地震研究所の一般公開は、1号館、2号館という2つの校舎で開催されていました。安田講堂での公開講座「素粒子で地球を視る」(田中宏幸)、仮想現実空間で地震を「観る、視る、測る」(市村強)以外は、この2つの校舎で開催されます。地味なイベントですが、高校生や親子連れが結構いました。
2号館の地下1階では、「地震計博物館」と称して、半世紀前の荻原式地震計(1934年)などが展示されています。大学院生の方による詳細な説明もされていました。1階ロビーでは、地震計の揺れをリアルタイムでペン書き記録紙に出力する体験などもできました。
研究公開展示は18。教室でのパネル展示や、実験模型などを使ったシミュレーションなど、なかなかの充実ぶりです。これも、高校生や親子連れに、模擬実験や映像などを見せながら、大学院生や研究者の方が丁寧に説明をしてくれます。主な展示の項目は、
「地震発生前におきる断層摩擦強度の変化」「南アフリカ大深度金鉱山における半制御地震発生実験」「長周期地震動の研究」「1855年安政江戸地震による江戸町人地の死者数分布」「東南海・南海地震断層境界周辺の構造と地震活動」「無人ヘリによる火山観測:桜島における地震計設置の試み」
「ニュートリノで氷衛星の海を探す」「地震・火山噴火予知研究の推進」「2009年伊豆半島東部の群発地震活動」「プレート境界のゆっくり地震」「太平洋を横断する津波─2010年チリ中部沿岸の地震による津波を例として─」「いろいろな海底地震計」「レーザー伸縮計による地殻変動観測」など。
講演会は「なまずカフェ」というサイエンスカフェ形式になっており、15分のミニ講演の後は、来場者がお茶などの飲み物を飲みながら講演者に質問をする形式になっていました。講演は研究の話のほか、大学院生がキャンパスライフを語るものなど、くだけた内容もありました。
このほかに、学生実験として、「津波伝播実験」「地震波伝播実験」「霧箱を用いた宇宙線の観察」「噴煙再現実験」「水飴によるプルーム上昇実験」といった、子ども科学教室のようなイベントもたくさん行われていました。屋外には地震体験車がおり、震度7まで体験できます。面白いイベントでした。
東京大学地震研究所では、9月12日(日)14:00-17:00に、「Earth Science への道」という中高生向けのイベントも企画しています。【要予約】
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/openlec/shinroshien/
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