公立はこだて未来大学の必修プロジェクト学習 |
墓標なき草原(上) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録
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(2010/12/17 13:00時点)
(写真)イカロボット
1)公立はこだて未来大学では、3年次に1年間にわたるプロジェクト学習が必修授業である。「解がない問題への自己組織的アプローチ」として特色GPにも選定されている。10~15人の学生と、2~3人の教員で1つのプロジェクトを構成し、企業、地域社会とも連携する。
2)プロジェクト学習のテーマは、大学の講義内容だけでなく、実社会の問題からも選ばれる。学生は、自分に合うプロジェクトを選択し、担当教員と共に、問題提起から問題解決までのプロセスを体験する。プロジェクト学習の成果は、学内外に公表され、連携企業や地域社会にフィードバックされる。
3)プロジェクト学習の目的は、実社会で役立つ力を要請すること。具体的には、プロジェクト遂行に必要となるノウハウの学習、プロジェクト遂行に必要となる技術の習得、プロジェクトを自主的に管理・運営する方法の学習、成果を公表し、大学及び地域社会への貢献など。
4)プロジェクトが満たすべき要件は、学生が主体的に取り組めること。講義内容を少なくとも一つ用いること。異分野の教員の交流により、教育技術の向上を目指すこと。解決すべき課題、成果、最終目標が明確であることなど。
5)プロジェクト学習の進行は、まず4月にテーマ選定とチーム編成、5月にリサーチとヒアリング。ここまでが「問題発見」。6月に問題点の抽出と検討・試作、7月に中間発表。ここまでが「共同作業」。10月に実製作と検証、この時期が「問題解決」、12月に発表準備と発表、これが「報告」。
6)1月に最終レポートを提出する。企業からは「プロジェクト学習は、役割分担やコミュニケーション能力、総合力が訓練されており、卒業後の実業務への能力が養われる。発表会の経験もあり、面接でも話題が豊富」と高い評価を受けている。
7)最も有名なプロジェクトが「イカロボット」だ。これは、イカロボットの開発・製作・展示を通して、函館の観光産業を活性化するもの。東京や函館のイベントなどでイカロボットが「函館イカ踊り」を披露する。年々イカロボットは改良が進められている。
8)2010年度の主なプロジェクト学習のテーマは、「医療現場における情報デザインとシステム技術の展開」「クラウド時代に向けたケータイアプリ」「地域を活性化させるための公空間デザイン」「導電布を用いた筋電義手の開発」「小学生のためのエデュテインメントシステム製作」
9)「外国人観光客のための多言語函館観光情報サービス」「地域に根ざした数理科学教育」「誰でもできる即興演奏支援システムの実現」「学習再発見のためのe-learning機能開発」「室内音響シミュレーションと音響空間の設計」「地域農業情報発信支援プロジェクト」など。
10)プロジェクト成果発表会では、発表者以外は他プロジェクトを評価する。成果発表会終了後もしばらくは作品やパネルがキャンパスに展示されている。2月には秋葉原でも成果発表会が開催され、学生が説明をする。この発表会には多くの企業が見学に訪れる。(おわり)
(写真)学内のミュージアムでのパネル展示
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