千葉大学は高校2年生から入学できます |
千葉大学飛び入学試験問題―千葉大飛び入学試験問題11年分を収録・物理の不思議、高校物理でここまで解る
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(写真)先進科学研究教育センター・教授の石井久夫先生と学生。学生研究室にて。ちなみに石井先生は身長194センチで、日本一背の高い化学者または日本最大(?)の化学者(笑)を自称されている。
1)高校2年生が、国立大学の大学入試(前期日程試験)に挑戦できることをご存じだろうか。それが千葉大学の先進科学プログラム、いわゆる飛び入学である。平成23年は2月25日(金)に個別学力検査が行われる。出願期間は平成23年1月24日から2月2日だ。面接は3月16日。
2)前期日程試験を利用した飛び入学を受け入れているのは理学部物理学科、化学科、工学部電気電子工学科、ナノサイエンス学科、画像科学科、情報画像学科。独自試験を課す12月の飛び入学の入試を含めると、千葉大学では12学科で飛び入学生を受け入れている。
3)千葉大学飛び入学の特典は、米国カリフォルニア州のサンノゼ州立大学で1か月間の海外研修が受けられ、その授業料と寮費、飛行機代は千葉大学が出すのでタダで留学できる。寮では現地の正規の学生と相部屋なので、海外の友達もでき、英語力もつく。
4)飛び入学の学生のためだけの少人数セミナーがあり、さらには専用の学生研究室に個別学習スペースも完備されている。先輩、後輩との交流も盛んである。英語はTOEICの受験料を大学が負担し、英語科目の選択で他の学生よりも優先権が与えられている。
5)飛び入学はセンター試験が不要である。出願にあたっては推薦書、調査書、自己推薦書などが必要である。飛び入学者は研究志向が強く、大半が大学院に進学する。東大、京大、東北大、MITなどの大学院進学者もいる。学部を3年で終え、一般より2年も早く修士になる学生もいる。
6)「先進科学プログラム」 は 物理学コース、物理化学コース、フロンティアテクノロジーコース(FTコース)、人間探求コース の4つのコースからなっており、理学部、工学部、文学部と連携している。各学年に担任教員がつき、学習面及び生活面の指導をする。
7)フロンティアテクノロジー(FT)コースとは、応用物理学関連分野の研究者を目指すコースで、ナノスケール材料、ナノテクノロジー、超高速デバイスや分子デバイス、情報工学、ロボットなどが専門分野である。
8)人間探求コースは文学部行動科学科に属し、人間の心や言語、文化を学ぶが、脳なども扱うため自然科学的な力も要求される。物理学コースやFTコースの学生と共に、数学と物理学など自然科学の基礎を学び、教員から個人レベルで指導を受け、理系並みの実験をし、数理的な人間科学を学ぶ。
9)先進科学プログラムで最も特徴となるのは先進科学セミナーであり、これは個別指導型の授業である。物理数学セミナー、物理セミナー、先端工学セミナー、人間探求セミナー、先進教養セミナーなどがある。このほかにオムニバス形式で学内外の教員が専門分野を語るオムニバスセミナーがある。
10)先進科学プログラムには2つの入試方式がある。12月に実際される独自の課題論述試験と面接による入試(方式Ⅰ)と、冒頭で紹介した一般入試と面接による入試(方式Ⅱ)である。特に定員はないが、入学者は毎年4~5人ぐらいで、受験者の約3割が合格している。
11)方式Ⅰの課題論述試験は、7時間半もある。課題論述試験の問題例はホームページからダウンロードできる。http://www.cfs.chiba-u.ac.jp/kakomon.html 方式Ⅱは通常の前期日程試験だが、科学コンクールなどの活動は評価される。
12)先進科学プログラムの入学者は入学料が全額免除される。授業料も選考により全額または半額免除になる制度がある。こんなに手の込んだ少人数教育をしているのに、学費は普通以下なのである。英語も個別指導で優遇されている。説明会は8月、9月、11月に開催。
13)飛び入学者は、高校2年修了で入学するので、高校は中退扱いになる。しかし、万が一大学入学後に他大学に転入学、および千葉大に再入学する場合は、各大学の個別審査を経て大学入学資格が認められる。ただし、国家試験などで高卒が受験要件のものは受験資格がない。
14)意欲ある優秀な理系志望の高校生にとって、千葉大学の飛び入学はとても魅力的な制度であるが、正直、知名度は低く、受験者も少ない。高校生までの教育は、「こうじゃなきゃいけない」という強制が強すぎて、高校を中退して「みんな」より1年早く進学するというのはプレッシャーもあると思う。
15)しかし、飛び入学はアメリカ、カナダ、韓国、台湾、香港、シンガポール、オーストラリア、イギリスなどで普及しており、アメリカでは18歳未満の大学生は17万1705人もいる(2007年)。日本でも戦前は旧制中学から旧制高校へ1年早く入学できる制度があり、頻繁に利用されていた。
16)大学教育を考える上で、千葉大学の飛び入学がもっと注目され、多くの高校生が目指すようになれば、大学受験業界へのインパクトも大きいと思う。横浜サイエンスフロンティア高校の生徒などは特にどんどん目指してほしいところである。また、工業高校ともっと連携してもよいかもしれない。
17)現在の飛び入学は理学部、工学部、文学部だけだが、千葉大学にはぜひここに法経学部を加えてほしい。具体的には経済学科と総合政策学科である。この両分野に若くて優秀な研究志向の学生を集めることは、社会への情報発信という意味でも非常に意義がある。ぜひ検討してもらえないだろうか。おわり
(おまけ)
ヨーロッパの就職難は日本とそっくりだけどより強烈
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