1世帯当たりの年間平均所得548万円のウソ |
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1)数字はウソをつく。厚生労働省の国民生活基礎調査では、1世帯当たりの年間平均所得(税・社会保険料を含む)は2008年で548万円で、ピーク時の1994年と比べて18%減少したという。しかし平均所得以下の世帯が全体の61.5%を占めており、548万円は本当の平均ではない。
2)多くの世帯が年間所得が548万円なのではなく、300万円以下の世帯が33.3%、800万円以上の世帯が21.3%である。総務省の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯(農林漁家世帯を除く)の月間月収(賞与含む年収の月割り換算)は09年で48万5538円。
3)09年の共働き世帯数(非農林業、ともに雇用者)は995万世帯で、専業主婦世帯数を約2割上回っている。世帯の所得平均は1994年の664.2万円から08年の547.5万円まで100万円以上下がった。しかし重要なのは金額よりも所得階層の分布である。
4)1994年と2008年を比較すると、中所得の階層が膨らんだ「リンゴ型」から、下部が大きい「ピラミッド型」になっている。もっとも多い所得層が、400~500万円から、200~300万円に移行している(厚生労働省国民生活基礎調査)。
5)平均所得547万円がないと、人としてダメという異常な刷りこみが、数字のマジックであり、私たちの多くがこの黒魔法にだまされる。今の日本は平均的な世帯の所得が200~300万円台に落ち込んでいるのが現実である。まあ、三丁目の夕日の時代に戻ったと前向きに考えよう。
*参考資料 2011年1月8日 日本経済新聞5面
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