1/22 福澤諭吉記念文明塾 コア・プログラム第5期生 募集説明会 |
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1)福澤諭吉記念文明塾 コア・プログラム第5期生 募集説明会を聴いてきました。福澤諭吉記念文明塾は慶應義塾創立150年記念事業の一環として開講されたもので、大学生と社会人約50名を募集。週2回、3か月間の講座を3万円で受講できるというもの。
2)文明塾は私塾の原点に還るもので、慶應義塾の学生と他大学の学生、社会人などが、お互いに学びあい、教えあう、「半学半教」の場を創る。講師のレクチャーを一方的に聴講するだけでなく、講師との対話や塾生同士の討論の時間を豊富に確保する。
3)多様な価値観を持った塾生が互いに刺激しあう参加型、体験型の学習機会を通じて、次世代のリーダーに求められる論理的思考力やプレゼンテーションスキルの向上を促す。「社中協力」による運営基金があるため、ほとんど学費がかからない。
4)説明した先生曰く、「私も青雲の志を持って慶應義塾に入学したが、あまりにマンモス大学で、マスプロ授業がひどかった。こうした少人数で徹底的に議論をする私塾のような場こそ、本来の福澤先生の慶應義塾だ」とのこと。
5)文明塾第5期は、2011年4月9日(土)から7月2日(土)まで開講される。木曜日の19時~21時と、土曜日の13時~18時。講義だけでなく、自主的にグループワークをしたり、事前課題に取り組む時間も求められる。選考方法は書類審査と面接。他大生や一般社会人も平等に受験できる。
6)文明塾の目的は、未来貢献を果たすべく、志を持つ者同士が、互いを高めあう場を提供すること。自律した個人が、自ら与えることで相互に学び、刺激し合う場を提供すること、福澤文明塾で得た成果を社会に還元し、貢献することを目的とする場を提供すること。
7)文明塾は、学ぶ場であって教えられる場ではない。社会のために学ぶ場であって、自分のためだけに学ぶ場ではない。対話と議論をする場であって、話を聞くだけの場ではない。自分が何かをつかみ取る場であって、何かを与えられる場ではない。
8)修了した後も、塾生や修了生同士で定期的に交流する機会を設け、塾に関わる人たちのネットワークを構築する。生涯を通じて知性と人間性を磨きあう環境を創りだすとともに、塾の運営に主体的に参加する体制を整備。政策提言、シンポジウムなどを行い、その成果を社会に向けて積極的に発信。
9)文明塾では、社会人と学生が混じるため、上下関係が生まれないよう、全員が「さん」付けで呼び合う。また、議論や会話は丁寧語で行うというルールになっている。ネット上で事前課題に取り組んだ後講義に臨む。ゲスト講師はただしゃべって帰るのではなく、受講生との議論に加わる。
10)講師はまず30分だけ講義をする。次は学生が7~8人でグループになり、グループディスカッションを10分間して、グループごとに質問する。この質疑応答は75分もあり、時間が余れば個別質問もできる。個別質問だけをやるとしんどいので、グループワークを取り入れている点が斬新だ。
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11)文明塾という名前は古風だが、プログラムは練りこまれている。ベーシック・ナレッジ“Basic Knowledge”(120分/全5回)では、基礎的教養をテーマに、歴史、哲学、古典、文化、芸術、科学など、さまざまな分野にまたがる専門家を招聘して、レクチャーと討論を行う。
12)ベーシック・リーディング“Basic Reading”(90分/全3回)はベーシック・ナレッジを補完するもので、基礎教養および福澤の思想に関する文献などを題材として、塾生同士で対話を重ね、文献から情報を獲得するための方法や、塾生同士で議論をするためのスキルなども養う。
13)ストラテジック・リーダーシップ“Strategic Leadership”(120分/全5回)は、各界のリーダーやプロフェッショナルを招聘し、自由闊達な議論を通じて、塾生一人ひとりのリーダーとしての人格形成を促進します。一方的講演でないので、講師の人間性が見えてくるという。
14)プロフェッショナル・トレーニング“Professional Training”(120分/全5回)は塾内外の専門家や、国内外で活躍するビジネスマンを招き、経営戦略のケースメソッドや交渉学に関するロールシミュレーションなどで、知識を実践的に活用する能力の向上を図る。
15)リーダーシップゼミ(政策提言グループスタディ) “Leadership Seminar”(120分・全5回)は、リーダーシップをテーマとして、学生と社会人が一体となって主宰するゼミ議論をベースにして、グループごとに政策提言を行う。このほかに特別セッション(180分)がある。
加筆)議論は「ポジティブフレーミング」という、前向きな議論になる手法を取る。日本人の性格、また日本語の性質から、どうしても不毛なケンカごしの議論になりがちなのをいさめている。
16)このほかにインテンシブ・リーダーシップ・プログラム(英語版)という、英語によるレクチャーとディスカッションを中心とした特別プログラムを別途開講する予定である。慶應義塾から国際的な舞台でリーダーシップを発揮できる人材を輩出するため、塾内の外国人教員や実務家を講師として招く。
17)文明塾はさすがに慶應らしく人間関係の醸成を重視しており、修了後も同期会や自主的な勉強会、飲み会などをする。ただ集まって飲むだけでなく、議論やセッションになるというところが知的だ。リベラルアーツ推進協会という一般社団法人も生まれている。
18)入塾選考料は3000円で、出願書類は入塾志願書、志望理由書、小論文2本、他者による評価書、証明写真2枚など。書類選考で100名ぐらいまで絞り、面接で50人の合格を出す。ただし第4期は57名いた。文明塾の講義は遅刻、欠席、早退は一切認めない。社会人でもである。
19)志望理由書は1000字。活動報告記述欄というA4の紙1枚もある。入塾志願書は履歴書のようなもの。小論文は400字の設問1と、福澤諭吉の著書のコピーを読んで回答する設問2がある。評価書は2親等以内の親族以外に書いてもらい、封をしてもらって受験生は中を見ない。
20)社会人が学ぶ場としては夜間の大学院や生涯学習講座などがあるが、若い大学生と交流し、議論をする場はない。文明塾の試みは非常に面白い。一方で、学費不要でこれだけの教育を提供できるのは慶應だけなのかなという気もする。他大学でこうした講座が広まっていくかどうか注目だ。(終わり)
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