日大法学部は学生の声を聞いたカリキュラムに改革を |
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1)2011年4月1日発行の『日本大学法学部Jaurnal』Vol.3に、学生と教員の座談会が掲載されている、。そこでの学生の声は、「大学に入ったはいいものの、あまりに自由で自堕落な生活をしてしまった」「自由に流されて何もしない4年間を送ってしまった」という話からはじまる。
2)法学部にはクラスがないので、1年生からほとんど自由である。ゼミやサークルに入らないと、自分が本当にやりたいことがみつからないのだという。「居場所がなくて、ぽつんとしている1年生は多い」という発言もある。居場所は自分で作れという意見は承知しているが、ある程度指針は必要だ。
3)現在の日大法学部は4年間水道橋の三崎町キャンパスで、ビルの校舎だけのキャンパスである。学生がダベれるラウンジなどはあるものの、法学部にはサークル部室が一切ないので、居場所がない1年生は多いと思われる。残念ながら、自由の名のもとに、質の高い初年次教育をしているようには見えない。
4)学生のコメントには「サークルやゼミに入っていないと、学園祭も疎外感がある。法学部の一学生として参加できるような企画がほしい」ともあった。アンケート調査などから双方向授業のニーズは高いが、大学側はまだ応えきっていないようである。ゼミも必修でないので、入らない学生もいる。
5)「ゼミは3年・4年なので、2年ゼミがほしい」という学生の声もあがっている。「3年生が学園祭のフォーラムでしか発表の場がないから物足りない」という意見もある。1年生はクラスを設けて基礎ゼミをやり、2年生から専門ゼミにしてはどうだろうか。
6)現在の日大法学部は、3・4年生のゼミに力を入れ、1・2年生は自由という名の放任に近い。最近の学生はあまりサークルにも入らないので、1・2年次に学生同士で学びあい、力をつける環境としては、物足りない環境である。図書館は学部単体なのに56万冊もあってすごいが。
7)さすがに伝統校で就職は良い。法律学科、政治経済学科では2割、公共政策学科では3割が公務員になる。金融業も法律学科、政治経済学科2割、経営法学科3割。偏差値の低い大学のように卸小売・サービス業ばかりに就職するということはない。
8)ある程度の学力のある学生は集まっており、それなりの結果を出しているのだから、ほどほどに良い大学ではあるが、そこに満足していてはいけない。少なくとも学生には、ゼミや双方向授業をもっと充実させてほしい、1年生から居場所がほしいという声があるのだから、改善すべきだろう。
9)ところで日大法学部では、「サタデーカレッジ」といって、月1回ほど土曜日に体験授業を実施している。申込制で、進学相談・キャンパス見学と、45分の体験授業を2コマ受講できる。このように、小規模なイベントを頻繁に開催して、高校生にPRする手法は悪くない。
10)私は以前ある大学に対し、毎週土曜日か金曜の夕方の授業を高校生に開放してはどうかと提案したことがある。東京大学でも高校生のための金曜特別講座が開講されているので、これを参考にしたものだ。無視されたが。(終)
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