雇主のために扇動される労働者(アダム・スミス『国富論』から) |
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1)ところで、労働者の利害は、社会のそれと緊密に結びついているにしても、労働者は、その利害が何であるかを知ることもできないし、また、それが自分自身の利害とどう結びついているかを理解することもできない。
2)労働者の生活状態は、必要な情報を得るための時間をかれに与えないし、またかれの教育と習慣は、たとえかれが十分な情報を得たとしてもそれを判断する力のないものにしてしまうのが普通なのである。
3)したがって、公共的なものの審議にあたっては、労働者の声はほとんど聞かれず、その声はあまり尊重もされない。ただ、ある特定の場合は例外である。
4)その場合というのは、労働者の抗議の叫びが、かれらの雇主によって、しかもかれら労働者のためにではなしに雇主自身の特定の目的のために、鼓舞され、扇動され、支持されるという場合だけである。
5)以上、アダム・スミス『国富論』第十一章 第一篇 404ページ(中公文庫版)から。
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