8/20 東洋大学の内定者2人の話を聞く |
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(2011/8/21 08:43時点)
1)東洋大学の4年生で、この春、著名企業に内定した学生2人に、何が成功の秘訣なのかを聞いてきた。まず法学部企業法学科のA君。大手住宅メーカーの営業職に内定。彼は志望企業の15か所の住宅展示場を訪問し、事前にアポを入れて社員から仕事の話を聞いた。
2)企業のHPにはいいことしか書いていないと感じたA君は、「フットワークの軽さ」を生かし、住宅展示場訪問と社員インタビューを繰り返す。その中で、住宅営業という仕事は厳しいが、お客さまと一生のお付き合いができる、家という大きな買い物を売る魅力、
3)BtoC企業であること、お客様との信頼関係などに魅力を感じ、志望理由としていった。学生時代はゼミ長に自ら立候補。これは、責任ある役職を務める経験がしたかったためで、3・4年のゼミ生32人をまとめた。ゼミでは抵当権を学んだ。夏合宿の運営もした。
4)さらに、サークルは民法研究会に入り、課外活動でも法律を学んだ。1年生の夏にはカリフォルニアに留学、ホームステイをし、視野を広げた。アルバイトは塾講師で、小学校4年生から高校3年生にまで英語と数学を教えた。
5)大学時代は、ゼミの教授に出会えたことが大きいという。物権、所有権などを勉強は、不動産の仕事を選ぶきっかけになった。キャリアセンターも親切で、エントリーシートのチェックをしてもらうなどでお世話になった。
6)大手都市銀行の総合職(関東圏限定勤務)に内定したBさん。経済学部社会経済システム学科(現・総合政策学科)なので、経済学部なら金融業界だろうと思い、他の業種も含め100社ほどエントリー。実際には50社受けて、面接まで進んだのは半分、5月末に内定を得た。
7)彼女が力を入れたのはアルバイトの塾講師で、中学1年生~3年生を担当。中学生たちの卒業まで付き合うことで、彼らの成長や変化に大きなやりがいを感じ、お客さまと付き合う仕事がしたいと銀行で資産運用にかかわるのを目標にする。
8)総合政策学科は4年間ゼミが必修で卒論も必修。1年ゼミは割り当てられるが、2~4年生の3年間は、Bさんは銀行出身の教授のもとで勉強をした。これが企業研究に役立った。サークルはテニスをしていたが、主に練習は夜で朝霞キャンパスまで移動する。
9)塾講師のアルバイトのやりがいは、生徒の成長が嬉しいこと、やる気のない子のやる気を出させること、生徒や親に「ありがとう」と感謝されること。世話好きなので、頼られることが嬉しかった。
10)大学の授業の後、夕方は、TACによる簿記の講座が学内であり(費用は半額ぐらい)、終電近くまで大学で勉強した。夜のテニスサークルとの両立がきつかった。大学時代は、サークルなど、いろんな人に出会って視野を広げるといいと思う。
11)大学は、繰り返し就職セミナーを実施してくれたり、コンサルタントの人が来て講演をしたりして、モチベーションを上げてくれるような取り組みが多くて役に立った。
12)自分の大学時代と比べ、後輩2人のなんとしっかりしていることだろう。もちろん、この2人が「上澄み」であることは100も承知だが、会った印象としては「自分で考え、行動できる」「ポジティブシンキング」である点が、強く印象に残った。
13)就職できなくて苦労するタイプ、2極化の負けるタイプは、「自分で考えず、行動もできない」「言われたことしかできない、あるいは言われたこともできない」「ネガティブシンキング」。そりゃあ企業も欲しくないわな。
14)偶然2人とも塾講師経験者だったが、これは言われてやったわけでもなければ、就職で有利だと思ってやったわけでもない。だが結果的に、2人の成長に大きく寄与し、人生の進路を切り開くきっかけになっている。
15)チャンネルの多さも魅力で、A君の「住宅展示場を15か所訪問し社員の話を聞く」「抵当権のゼミ長」「民法サークル」「塾講師」「カリフォルニア留学」、Bさんの「銀行出身教員のゼミ」「塾講師のアルバイト」「テニスサークル」「TACの簿記講座」などのネタは、どれも聞きたくなる。
16)ポジティブシンキングは本当に重要で、私はA君の話を聞きながら、うっかりボールペンでズボンに線を引いてしまって落ち込んだが、その瞬間に「僕もよくやりますよ。塾講師の時は特に」と言われて超癒された。A君は僕よりも前向きな人間だ。
17)人は「そのままの自分」が結構好きである。「どうせ俺って駄目なんだ」と思うことは、快感である。だがそれは逃避でしかなく、人から愛されず、状況は悪くなるだけだ。たとえポーズでも、ポジティブシンキング、前向きの行動は、重要である。
18)こんな簡単で、しかも重要なことに、大学時代の自分はなぜ気がつかなかったのだろう。今も、就職やその他もろもろ人生がうまくいかなくて苦労している学生や若い社会人は多いと思うが、アドバイスしたいのは、「うまくいっているひとのマネをしてみる」ことだ。
19)本来の自分の性格に逆らってでも、明るく、楽しく、行動的にしてみる。「リア充」を目指してみる。鬱になるのは自分一人の時間だけでいい。就職したい、会社に入りたいというのなら、社内で他者から気に入られる自分を演出することをためらってはいけない。
20)「そのままの自分が好き」というのは、組織で過ごす上で、きわめて危険な思想だ。それを受け入れてくれる環境は、世界のどこにもない可能性がある。もちろん、自分だけが居心地のいいポジションで、飯が食えるようになるのならば、それで構わないが。
21)「そのままの自分が好き」な人には残念ながら、社会のほとんどの職業は「サービス業」であり、いわば「営業」である。自分は常に他者に見られているし、他者からの評価が自分の評価になる(企業は特に)。
22)根っからのリア充、ポジティブシンキングな人は、日本人には少ないはずだ。しかし、演出しないと内定は得られまい。10年前に就職活動をしてついにうまくいかなかった自分に、いろいろと説教をしてやりたい気がする。(終)
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