青山学院大学の学生意識調査~この4年間の軌跡~ |
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山内太地メールマガジン
「親が知らない進学のヤバい話」
毎月第1・3月曜発行。
1)7月18日に青山学院大学で開催された、FDフォーラム「青山学院大学の学生意識調査~この4年間の軌跡~」に出席してきました。まず、全学FD委員会委員長 学務及び学生担当副学長 長谷川信先生から、調査概要が説明されました。現在は全学部・全学年で実施されています。
2)次に、ベネッセの大学事業部 東日本営業課の谷口雅子氏から、「学生の意識調査から見る青山学院大学の学生像」が発表されました。2013年度の学生意識調査は、1年生3798名、2年生2988名、3年生2618名、4年生2658名という、大規模なものでした。
3)2年生の結果で特徴的だったのは、「学生生活で力を入れたこと」で、「教員との交流」が全国平均以下であったこと。入学後、「想像より悪かったこと」で「語学教育」が高く、語学教育の不足に対し不満が強い。「英語の青学」が学生の入学時の高い期待に応えていないことが浮き彫りになった。
4)一方で授業満足度は比較的高く。「コミュニケーションスキル」の獲得ができていると多くの学生が答えている。1週間あたりの学習時間は、週5時間未満が46.5%で最多(2013年)。全国平均は45.9%。アブダビの服部君の1日の学習時間が、日本の大学生の1週間の学習時間なのだ。
5)ちなみに、週5~10時間が27.6%、自習をまったくしていないのが18.4%、週あたり10時間以上が7.5%だった。3年生へのアンケートでは、「企業と接する機会を増やしてほしい」という要望が強く、教員と接する機会、さらなる語学教育の充実を望むとする回答も多かった。
6)4年生を対象とした卒業時のアンケート調査では、男子学生よりも女子学生のほうが全般的に大学への満足度が高かった。4年生全体では約80%以上の学生が大学に満足していた。ただしこれは個人的には。大学の質に対してではなく、自己肯定感の問題ではないかと思う。
7)4年生の大学教育・大学生活への満足度では、大学のイメージやブランドが89.6%と高い一方で、語学教育が64.9%と顕著に低く、入学時の期待の高さに比べ、在学生の満足度の低さが際立っている。青学は真剣に英語教育改革をした方が良いだろう。
8)4年生の「大学教育への要望」は、70%以上の学生が「社会人や企業と接する機会」「思考法」「語学」を上げている。満足度が女子より低い男子のニーズは「ディスカッションやプレゼン」となっている。
9)4年生の「語学教育に対する要望」で、「英語教育で充実させてほしかった分野」は、スピーキング59.6%、リスニング15.0%、リーディング9.1%、ライティング6.6%となっている。
10)今回の学生アンケートでは、青学生は入学時はブランドに信頼を寄せ、語学教育に高い期待をしている。しかし教員との交流は少なく、企業と接する機会や、思考方法を学べる実践的な授業、充実した語学教育、文章やレポートを学ぶ機会への要求が強い。
11)ネガティブな回答結果も避けずに一般に公開した青学の姿勢を、私は高く評価する。ただし、教育の改善は早急にしなければならない。何が問題なのかは明らかになっているのだから。
12)さて、大学の公式の調査とは別に、青山学院大学新聞が独自に学生意識調査をしている(2013年7月15日号)。回答者は約550人。学生の出身地は72%が関東で、次に多いのは東海地区の7%。関東では東京都が37%、神奈川が33%、埼玉が13%、千葉が10%。
13)第二外国語は中国語36%、仏蘭西語18%、スペイン語15%、ドイツ語14%、韓国語9%、ロシア語2%など。サークル・部活に所属している学生が80%。
14)図書館の利用頻度は、ほぼ毎日6%、週に2、3回20%、週に1回21%、1カ月に1回15%、数か月に1回11%、ほとんど利用しない27%。
15)自動車免許を持っている学生37%、持っていない学生63%。恋人がいる学生28%、いない72%。ブランドイメージに反して、恋愛には淡泊な青学生の姿には私も驚いた。(終)
(追記)青学の語学教育の課題は、学部ごとにバラバラな内容の英語教育をしていることである。立教や早稲田のチュートリアルイングリッシュのように、全員が等しく一定の質の高い語学教育を平等に受けられる体制にしないと、学生の満足度は上がらないのではないか。「英語の青学」に恥じない教育を望む。
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