フィリピンのパーペチュアル大学(2) |
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山内太地メールマガジン
「親が知らない進学のヤバい話」
毎月第1・3月曜発行。
(写真)日本にも劣らぬ最新設備を持つ大学病院。これからは安価なメディカル・ツーリズムの時代も来るかも。
2013年8月2日、フィリピン最大級の総合私立大学University of Perpetual Help (略称:UPH パーペチュアル大学)を見学。まずは観光学部の校舎を見学する。ホテルのロビー、調理室、レストラン、ホテルのスイートルーム、飛行機の機内、カクテルバー、豪華客船の客室、ビジネスホテルの寝室などが精巧に再現されており、実習で活用されている。日本の観光学部は座学中心だが、完全に実学中心の学部だ。ベッドメイキングなどの授業もある。観光学部は1500の学生数だ。本は少ないが広大な閲覧室のある学部図書室も完備。その後、TESDA(工業高専)の自動車工学の実験室を見学。日本のオートバックスで3年間のOJT(研修生)をするという。船員養成学部では、CGのシミュレーターが設置され、本物の船のような操縦ができる。
ちょうど雨の広島湾のCGが用意されていて、実際には船は揺れていないのに、大波が再現されていると酔って来る。出張さんいわく、「ブランド力の無いフィリピン人は、即戦力になる勉強が必要だ」とのこと。
寮に戻る途中で、16、17歳の学生の集団に出会う。薬学部生だという。なぜこんなに若いのかと言うと、K12に移行する前だったそうだ。現在は大学は18歳以上である。
空港に出迎えてくれたディックさんのオフィスで取材。彼は一体、何者なのか。本名はRICHARD A. MORAN 通称DICKで、役職はAssistant to the President となっているので、「副総長」らしい。気楽な格好なので、そのへんのおじさんのようだが、偉い人なのだ。ちなみにアンソニー総長は姉の子なので、総長のおじである。なぜ彼は空港の中に入れたのか。それは、アロヨ政権で彼が大統領のシークレットサービスのボスだったからだそうだ。ディックさんは「No English, No Work」だとおっしゃった。
(写真)きさくなおじさんだと思ったら、実は副総長だったディックさん
パーペチュアル大学は語学学校を持っていないが、2週間で寮費込みで18~20万円ほどの留学コースは設置可能だという。今後は、3カ月、半年、1年などの留学を、日本の大学に提案してはどうかという話になった。フィリピンと日本の大学は、11月~3月は学期が合うので、その時期に日本から留学してもらい、4~8月は日本で前期の授業を受け、9・10月はオンラインで勉強したり、フィリピンで語学を勉強してもいいだろう。すでに日本の某ホテル専門学校は、3週間の研修に来ているそうだが、それ以外だとほとんど日本の大学との交流は無い。午前中は独自の英語カリキュラム、午後はフィリピンの学生と一緒に授業を受けるということも可能だそうだ。
パーペチュアル大学の授業は、通常は60分、実習などは90分。1学期に3~6科目を履修する。出張さんの娘さんは5科目で20~23コマ。1年間の留学も可能。スカイプよりも良いオンライン学習もある。
アンソニー総長と面会。フィリピンではエンジニアは国家資格だそうだが、日本はそうではないというと、ディックさんも含め、非常に驚いていた。フィリピンの工学部の学生は、日本の大学院修士課程に留学すると、日本メーカーでの仕事のチャンスもあり、非常に有利であろうと感じた。観光学も、4年制大学で観光学を学ばなければ、海外のホテルでは働けないそうで、フィリピンと日本では随分事情が違う。シンガポールのマリーナベイサンズのオープニングスタッフ1万人のうち、7千人はフィリピン人だった。ちなみにアンソニー総長は40歳独身でハーバードMBA修了で米国公認会計士で家にボーリング場がある。
(写真)アンソニー総長と私
日本人がパーペチュアル大学に正規入学するには、TOEIC500点程度と書類だけでいいという。
(写真)航空学部の校舎
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