大学を教員で選ぶには |
高校生・受験生も同様です。大学生活は「良き師」で決まるのですが、それを選ぶ方法がありません。オープンキャンパスの模擬授業で話した先生が、たまたま自分の理想の師である確率は天文学的です。たとえば、「まちづくり」「地域おこし」に関心があれば、社会学部や政治学科などを考えるでしょう。立正大学経営学部の吉田健太郎准教授のゼミが面白いとは、誰も気が付かないはずです。おそらくオープンキャンパスでは、他の先生が「経営学とは何か」という話をするはずだからです。逆に吉田先生が高校生にまちづくりの話をしたら、経営学を学びたい学生は関心を持たないでしょう。
高校生が漠然と持っている関心事を、大学の学部・学科名から選ぶのではなく、「生涯の恩師」とマッチングさせる仕組みができないものでしょうか?
大学の授業を聴くだけではなく、一人の教員とじっくり一対一で対話をしたら、もっと深く、学問も教員の人間性も理解できる。まして、師事したのなら。でも、多くの文系大学生が、その経験なしに卒業する。
ワークショップ形式の授業は、退屈しないし脳が活性化するかもしれない。プロジェクト型の授業で企業人と学べば、コミュニケーション能力が磨かれるかもしれない。でも、大学の核心は、良き師と出会うこと、対話をすること、論文指導を受けて鍛えられることだ。
たとえ「グローバルな大学」が、英語授業の質を上げようが、海外留学制度を整えようが、就職支援を充実させようが、4学期制にしようが、大学で生涯の師に出会い、自分の専門性を高め、学べる教育体制がなければ、意味がありません。良き師に出会い、学ぶことこそ、最高のキャリア教育です。就職テクニックの伝授だけではだめなのです。
2014.06.03 「地域再生と文系産学連携」立正大学経営学部の吉田健太郎 准教授に会う
http://tyamauch.exblog.jp/22239752/
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