2014.08.09 中部大学オープンキャンパス |
http://www3.chubu.ac.jp/collaboration/news/6895/
1)8月9日(土)、神戸学院大学教務センター教務事務グループの松宮慎治さんと、中部大学のオープンキャンパスを見学してきました。中部大学は理系学部の実験・実習設備の開放や研究室公開、文系学部でも相談コーナーが充実しているなど、かなり見どころの多いオープンキャンパスをしていました。
2)オープンキャンパスの中でも、私の評価が高いのは、大学の教員と高校生が、じっくり話し合える環境がある大学です。中部大学の場合は、耐震装置、電気自動車、あるいは古文書の展示、国際交流のカフェ、バイオの実験などで、こうした、教員と受験生がじっくり話せる場がたくさんありました。
3)惜しいのは、高校生にその価値が伝わり切っていないことです。全体説明会、模擬授業などは混雑していたのですが、相談コーナーはおおむね空いていました。オープンキャンパスでも、与えられたプログラムをこなすことで、満足してしまう側面があります。
4)多くの大規模私立大学のオープンキャンパスは、机とイスの相談コーナーだけで、大行列です。中部大学や、法政大学のように、じっくり話ができる教室の展示スペースは素晴らしいと私は思っているのですが、まだ浸透しているとはいいがたく、準備する側の負担も大きいためか、普及していません。
5)相談コーナーが学生まかせの大学も多いですが、私は絶対に教員にいてほしいと思っています。休日出勤したくないのはわかりますが、学生や職員で学問の話ができる人はまれです、というかほとんどいません。多くの場合、学生からはキャンパスライフ、職員は入試の話ばかりです。
6)大学は教員と学生のコミュニティであるべきですが、その断絶はすでにオープンキャンパスから始まっています。教員からは一方的に説明や講義を聞き、相談コーナーで学生と話すだけで、受験生の中の知的好奇心がどれだけ惹起されるのでしょうか。大学の価値は、良い教師との出会いです。
7)その点、中部大学は、教員による展示説明が非常に充実していました。文系学部でも教員の研究室を公開し、受験生や保護者と、じっくり話せる環境が随所に用意されていたのです。学問と偶然出会える環境がありました。
8)人文学部日本語日本文化学科の展示は特に充実しており、私たちは蜂矢真郷教授(国語学)、岡本聡准教授(近世和歌・俳諧)のお二人から、じっくりお話を聞くことができました。大学教員がどう一生のテーマに出会ったか、それを研究する意義は何か。学生がどう成長するのかを聞くことができました。
9)人文学部英語英米文化学科では、主任の塩澤正教授と、ヤーッコラ伊勢井敏子教授にお話を伺いました。英語英文学の学科はどこの大学にもあるので、私はほとんど注目しておらず、理系中心の中部大学では影の薄い存在だと思っていましたが、ところがどっこい、この学科は素晴らしいのです。
10)英語英文の学科は、名古屋にはいくらでもあるので、私はまったく中部大学に注目していませんでした。偏差値も49です。しかし、この学科は、入学時にはTOEICが平均で300点程度の学生を、500点、730点と鍛え上げていきます。
11)「入学時は自分に自信がなく、自分の英語力が低いと思っている学生は多いです。しかし、私たちの指導と励ましによって、誰でも英語力は向上できるのです」とヤーッコラ伊勢井敏子教授は言います。
12)実際に英語英米文化学科では、卒業時にTOEIC730点になるように学生を指導しており、専用のマルチメディア教室も持っています。今回は時間の都合でじっくりお話が伺えなかったので、後日再取材をすることにしました。
13)オープンキャンパスの魅力は、偶然、良い先生と出会い、今までの自分の価値観を超えた知的刺激を受けることです。今回、私は中部大学で、様々な学部学科を見ましたが、ノーマークだった英語英米文化にもっとも大きな刺激を受けました。これも取材の醍醐味です。(終)
大学を訪問し、先生方とじっくり話し込んでいると、入試や広報担当の職員の方が、どれだけ本気で自分の大学を把握しているのかが、疑問に思えてくることもある。入試広報だけがその大学を代表する窓口なのかどうか。入試広報担当者が自分の大学の内情を、魅力を、知り尽くしておらず、自分の知識と権限の及ぶ範囲で、広告会社や受験業者と接して、大学のブランドづくりをしてしまっていないのかどうか。私もその片棒を担いでいないかどうか。
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