コケそうな観光立国 |
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1506/09/news042.html
『新観光立国論』という本が、2015年6月に2冊、別の出版社、別の著者から出ています。これから観光業が有望ということでしょう。
寺島実郎
http://casino-ir-japan.com/?p=7709
デービッド・アトキンソン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492502750/businessbookm-22/ref=nosim
しかし、いくら観光立国が有望な戦略でも、日本のサービス業、とくに、飲食・宿泊が、離職率が高いブラック産業である限り、サービスの質の向上は望めないし、外国からの観光客、特に富裕層が満足することは難しい。だいたい、本来は従業員個人に入るべきサービス料10%がホテルの収入なのはおかしい。
ホテルや高級レストランのサービス料10%は、チップの代わりなので、素晴らしいサービスをした従業員個人に還元されるべきなのに、まとめてホテルの収入になってしまう社会主義。これでは従業員のモチベーションは上がらない。また、日本は職種の労働範囲が定まっていないので、果てしなく残業。
ものづくりだけでは食えなくなったから観光という発想自体が、お客様のためではなく自分本位である。そして、観光客や従業員にとっての良い観光業という視点がない。それでは失敗する。観光学部はずいぶん増えたが、現場の従業員を作る大学が多く、大きな絵が描ける大学が見当たらない。
従業員を使い捨ての低賃金非正規雇用サービス残業要員と考えている時点で、観光立国などあり得ない。だが、離職率の高い飲食・宿泊業の実態はそうだ。みよ、どこでも「従業員募集」の張り紙。そして、すぐ離職するからプロとしての技術も身に付かない。おもてなしどころじゃない。
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