中堅高校から文系私大に行く黄金ルートの終焉 |
ところが、中堅高校になると、文系5クラス、理系2クラスみたいに、文系中心になります。すると、多くが文系私大に行きます。中堅からさらに下位の高校になると、理系クラスは1クラスしかなかったり、理系進学者がほとんどいなくなります。
中堅の普通科高校で、文系のクラスが多くなるのは、社会のニーズとは言い切れません。これは、私大は7割が文系だからです。マンモス私学の巨大な文系学部に、中堅高校生を入れるために、高校が効果的に機能しているのです。「高校で文系→大学で文系→企業で総合職」という時代はそれで良かったのかもしれません。でも、今やそうではないことは、皆さん良くご存じのとおりです。「高校の文系クラス→マンモス私大の文系学部」は大学に進学する高校生の多数派ですが、この人たちの専門性も出口もあやふやです。
高校生の多くが、この流れになんとなく乗っていく人生を、あたかも生徒が自分で選択したかのような状況に、私はなんとも言えない危機感を覚えます。