奥林匹克直前的中国④景山公園 |
景山の万春亭から紫禁城を見る
紫禁城を裏門の神武門から出ると、道路を挟んですぐ景山である。この山は、城の堀を造成した際の残土で築いた人工の山で、その名の通り皇帝が城を眺めるためのものだ。逆光の上にぼんやり霞んでいるのであまりきれいには見えないが、実際に見た感想で言うと、見事にシンメトリーになった宮殿群が壮観である。頂上の万春亭からは北京の街並みが360度見渡せる。ここで50元の毛沢東腕時計を買ったら1日で壊れた。
景山を降りると、ふもとには明の崇禎帝が縊死した槐が植えられているが、本物は文化大革命で切られてしまい二代目。明の滅亡時、家臣は全員逃亡してしまい、崇禎帝と最期を共にしたのはたった1人の宦官だったと言われている。そうした激動の中国史の記念碑ともいえる場所なのだが、割れた音のスピーカーから軽快な音楽を流しながらおばちゃんたちが踊っており、何ともファンキーな雰囲気だった。宮殿も庭園も今では庶民や観光客のものになってしまったが、結果的には皇帝の偉業に意味はあったのかもしれないと思った。
崇禎帝縊死の地で踊るおばちゃんたち
景山公園を東に出ると、ごちゃごちゃした商店街がある。人々が集まっており、石焼き芋の屋台の自転車や、なんと自転車の後ろがリアカーで本を満載した移動図書館自転車まで止まっていた。面白いのでこっそり写真を撮る。石焼き芋は皮まで食べられるほど甘くてとてもおいしい(1本3元)。この商店街の周辺はかつての北京大学の発祥の地で、創立時のいわれを記した碑などがあるためやってきた。記念碑の場所を見つけてまた写真を撮る。近所にはもう一つ「旧北大紅楼」という場所もあり、ここは旧北京大学図書館で、毛沢東が働いていたことで知られる。1919年(大正8年)5月4日には五四運動という反日・反帝国主義学生運動の揺籃の地ともなった場所だ。ここも記念碑があるだけで特に展示などがあるわけではない。
ここからトロリーバスに乗り東に向かう。トロリーバスはバスなのに路面電車のような電線で走るバスで、電気のモーター音が楽しい。このバスで終点の東大橋東口まで行くと、バスの車庫になっておりトロリーバスが沢山止まっている。車庫の窓口でSuicaのようなプリペイドカードを40元で購入(うち20元がデポジット)。次なる目的地へバスで行こうと思ったが、時間がないのでタクシーにした。タクシーは初乗り10元ととても安い。
つづく
電気で走るトロリーバス
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