奥林匹克直前的中国⑨北京大学 |
北京大学図書館
北京大学は1898年に設立された京師大学堂を発祥とする、中国最古にして最高の大学である。学生数は博士まで含めて約2万3000人。アジア最大と言われる図書館には703万冊の蔵書がある。
設置されている学部は日本とは随分区分が違い、数学科学、物理学、計算機科学技術、化学と分子工程、生命科学、地球と空間科学、環境学、心理学、新聞とメディア学、中国語言文学、歴史学、考古文博学、哲学宗教学、国際関係学、経済学、光華管理学(なんじゃこれは?)、法学、信息(情報)管理学、社会学、政府管理学、外国語学、マルクス主義学(こりゃすごい!)、体育学、芸術学、元培学(??)、信息(情報)科学技術学、中国経済研究、教育学、工学、医学などである。主に人文社会科学と理工系の基礎と医学を扱い、理工系のほとんどは隣接地にある清華大学の方が評価が高い。
キャンパスは東大の本郷キャンパスのイメージに近い。キャンパスの中央には巨大な図書館がそびえ、中華風建築が壮大だ。この図書館は5万1千平方メートルもある。その周囲には各学部の校舎が立ち並んでいるが、おおむね理工系は最新の高層ビルで文系はボロい。また、キャンパスの周囲は大学の経営するオフィスビルが立ち並んで大学発ベンチャー企業が入居して工業団地と化しており、日本の大学よりもかなり活気があって社会とも密接な雰囲気を醸し出している。
特筆すべき点は、キャンパス内に数えきれないほどの寮があり、多くの教職員や学生・留学生が居住していることで、世界で唯一学生寮を軽視している日本の大学教育の貧困をここでも実感した。幼稚園・付属小学校も敷地内にある。
キャンパスの北半分は美しい庭園になっており、散策が楽しめる。この地区にある校舎は昔風の赤い校舎で、紫禁城のような格調ある建築物が多い。西門は赤門とも呼ばれており、中華風の豪華な門で一見の価値がある。大学見学マニアたるもの、東大の赤門と北京大の赤門は両方見ておくべきだ。キャンパス内の売店で大学案内やキャンパスマップを販売しているので、これを入手して大学を散策することをお勧めしたい。北京観光と言えば北京大学は外せないものである。
北京大学西門
なお、医学部だけは離れた場所にキャンパスがある。今回は時間の都合で足を運べなかったのが少々心残りだ。
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