大阪工業大学知的財産学部 |
大阪工業大学というのは、なかなか味のある大学だと思っておりますので、数年ぶりに大宮キャンパスを訪問しました。以前なかった新しい校舎が随分増えています。
最初に知的財産学部の校舎を見ました。この知的財産学部というのは大阪工大が最初で、非常にユニークな学部だと思うのですが、まだあまり知られていません。特許や著作権、キャラクタービジネスといった知的財産全般を学ぶ法律系の学部で、工業大学らしく工学部とも縁の深い分野です。注目すべきは、一応文系学部にも関わらず、卒業生の就職先の実に25%が電気・機械メーカーであることで、メーカーに就職した学生は4割近くに達しています。金融やITもそれぞれ1割。文系の代表的進路である卸・小売は2割しかいません。専門性の高さが堅実な製造業から評価されている点はもっと宣伝しても良いのではと思います。
専用の自習室やコンピュータ演習室があるほか、大学院生には1人1つの研究机が与えられます。文献保管室という名の学部図書室もあり、勉強の設備や環境はなかなかのものです。文系なので研究室は先生のものしかないのですが、武蔵工大、東京工科大のように文系学生にも学生研究室を与えている大学もあるので、大阪工大も知的財産学部の学生がものづくりや情報発信ができる工房を設置し、社会に積極的にその活動をアピールしてはと思いました。先生や学生が交代でブログを書くとか、一般人も参加できる論文発表会をするとか、今日現在ホームページに出ていないオープンキャンパスの日程やイベントの詳細をそろそろ出すとか(驚くべきことに知的財産学部のHPでは「2006年度」のオープンキャンパスが未だ掲載されている)、それらのプレスリリースをマスコミや高校に送るとか、広告会社に多大な費用をかけなくても宣伝はいくらでもできます。
自分の大学・学部の知名度が低くて面白くないのは、当の学生自身です。彼らは生涯ついて回る唯一の学歴として大阪工大知的財産学部を選んだのですから、彼ら自身が活発に自己主張し、情報を発信し、研究成果を社会に還元できるようなステージを、まずは大学が用意するべきではないかと思います。それがゆくゆくは知名度の上昇、志願者の増加につながるのではないでしょうか。工学部の1学科のようなポジションに甘んじているべきではありません。
*写真は知的財産学部文献保管室(掲載許可済)
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