消えていく大学のサークル部室 |
文系の大学生には、理系のように研究室という居場所がない。理系も4年次までは事情は同じだ。大学は授業を受けて帰るだけのハコである。キャンパスに学生寮のほとんどのない日本では、サークル部室こそが学生たちのコミュニケーションを鍛える絶好の場なのだ。授業が終わったらそそくさとバイトに行ってしまうのではなく、夜中まで大学に滞留し、学生文化の花を咲かせる。そんな魅力ある大学が減っていってしまうのは本当に残念だ。
拓殖大学の古くて密集したサークル棟、日芸の学食の地下のカオスのような汚いサークル部室、芝浦工大芝浦キャンパスの校舎の6階のまるで香港の雑居ビルの1室のように混沌としていたサークル部室、みな消えてしまった。24時間解放されていた武蔵大学のサークル棟はカードキーの新館になり部外者は入れない。学生の自主管理を貫徹し24時間365日解放区だった法政の学生会館も失われた。早稲田の学生会館は規模は大きく活気はあるがセキュリティーが万全で部外者は近づきづらい。比較的昔ながらの活気があるのは、学習院、中央、東洋ぐらいか。
最近の学生は団結力がない、コミュニケーション力がない、愛校心がないといっても、その原因を大学が自ら作り出しているとしたら、少々悲しいことである。
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