大学生の「モテ力」 |
私は気の合う仲間とサークル部室でファミコンばかりしていた大学時代だったが、今になって思えば、古き良き大学の、それなりに密な人間関係が構築できた場であり、少ないながらも確かにそこには知的刺激があった。私個人の特性としてはさらにこれに加え、大学時代から大学めぐりをしており、他大学の学生と話す機会も多かった。
現在の大学生の多くのように、サークルなんか入らなくても、似たような境遇の学生同士で群れてキャンパスライフを楽しんで、しっかり就活用の勉強をして、いい就職をして……ということは、確かに実現可能だろう。だが、こうした流れから漏れてしまう学生のフォロー、キャンパスライフにおける「モテ力」が足りないだけの学生をどうフォローするかが課題だ。
こうしたあぶれた学生は、「モテ力」がないのを、自分に能力がないと勘違いしてしまう。なまじ学力があるばかりに鬱屈としている学生も多い。以前はこうした学生は変なサークルに入って仲間と群れながらコミュニケーションを学ぶ機会があったが、今の子は自尊心が高いので友達づくりをせず、ドツボにはまってしまう。就職活動に失敗し、始めて気づくのだ。「モテ力」とビジネスにおけるコミュニケーション力は別なのに、自分はモテ力に反感を持つ一方で、ビジネスにおけるコミュニケーション力も磨いてこなかったのだと。
オシャレで群れることのできるモテ力のある学生は、そのまま就職活動に突入しても順調に進める。むしろ大学側が面倒を見なければいけないのは、それなりの力がありながら、モテ力がないばかりに、大学に居場所を見つけられない大人しい学生である。学生支援GPはこれを狙っているのだろう。
ただ、私は昔も今も自分で行動してしまう人間なので、こうした「チャンスを与えれば動ける」若者を、しっかり面倒を見て教育してやる気を引き出すということは、面倒くさくてできない。だから私は教員には向いていない。
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