1/29 京都精華大学、北山からの熱い風は吹くのかい!? |
でっかいホテルがあることは、つい最近知りました。
普段は特に行く用などない場所です。
ここで昨日、京都精華大学学生作品プレゼンテーション会
「京都北山からの熱い風」 が開催されていましたので、見に行ってきました。
これはどんな行事かというと、この冬から就職活動が始まる
3年生たちが、自分たちの作品をブースに展示し、
来場した企業関係者にアピールするというものです。
展示している学生は約70名、みな首都圏のクリエイティブ系企業に
就職を希望しています。広告・出版・ゲームなど様々な業界の方々が
来場し、学生にアドバイスをしていました。
一般公開行事ではなかったのですが、私は広報課長さんに事前に
頼んで入れてもらいました。広報課長さんとは面識はなかった
のですが、ムサビの手羽さんと知り合いだったので
スムーズに交渉できまして、ありがたいことです。
学生さんたちの作品はファイアンアート系が多かったのですが、
やはりゲーム業界希望が多かったですね。
何とか皆さんが希望の職に就けるとよいのですが。
動画サイトで話題になったアニメ『フミコの告白』を
作った学生も来ていました。
とりあえず見てください。↓(音が出ます注意)
ちょうどこの時期は卒展シーズンなのですが、
やはりただ作品があるだけでは面白くも何ともなくて、
制作した学生の話が聞けるのは非常に良いですね。
私が学生たちに話したのは、
①ブログを作って宣伝するべき、自分をブランド化する
②学内や先生の評価ではなく、市場に評価されることが大事
③「売れる」ということは、自分が作りたいものではなく、顧客が作ってほしいものを作るということ。そこに自分が作りたいもののエッセンスをどれだけ盛り込めるか
④芸術は売れてナンボ
⑤「成功したい」という欲望に忠実に生きる
⑥なぜ先輩たちが売れなかった、食えなかったのかを冷静に分析すべき
という、身も蓋もない話です。しかしこれも、数多の美大を見学して、
そこに多くの問題点を見た私の経験から得たアドバイスですので、
彼ら彼女らにも何かの役には立ったはずです。
ちょうど村上隆の『芸術起業論』を読んでいたのですが、
この本には、欧米のアートのルールを知ることの大切さや、
欧米こそ「芸術は売れてナンボ」の世界であるということが
赤裸々に書かれています。
私も2008年にロンドンに行った時、こうした価値観を体感しました。
特に、芸術というものに対する庶民への裾野の広さ、
子どもたちに芸術や科学に関心を持ってもらうための熱心なアピール、
現代アートに対する大衆の強い関心、
芸大にマーチャンダイジング(商取引、販促)、マーケティング、
リテール(小売)、広告の学問分野があること、
芸大図書館の入口に、34人の図書館員全員の写真と名前が張り出され、肩書や専門分野(グラフィックデザイン、建築など)が書いてあること
など、「日本はこのままではヤバイだろ」と思うことの数々……。
美大、芸大を出た人の大半がアートで飯が食えないというのは
才能よりもマーケティングやPRの問題だと私は考えているので、
そのへんを何とか京都精華大学の学生さんにもがんばっていただいて、
あと1年で結果を出し、社会で活躍してほしいと思っています。
明日は日芸や東京芸大の学生たちとムサビに行ってきます。
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