上海大学めぐり① 上海淞滬抗戦紀念館 |
時差1時間だから所要3時間10分である。
新幹線なら東京~岡山間と同じ。かなり近い。
浦東空港ではJTBのガイドの朱さんに送迎してもらった。
高速道路は片道4車線で広い。ヨーロッパ風のオシャレな別荘風の家が
数百軒も立ち並んでおり、高層マンションもニョキニョキ建っている
中を、高架の高速で爆走していく。
途中で上海万博の会場も通った。まだ工事中である。
朱さんいわく「最近の中国の大学生は勉強していない」
にわかには信じがたいが、インターネットをしたり寝てばかりいて
わがままな大学生が増えてきたという。
豊かになると日本と同じようになってくるのだろうか。
ホテルには13:30に付き、さっそく軽装で出かける。
今回泊まった兆安酒店というホテルは、上海駅と中心部の人民広場の
中間地点の漢中路という地下鉄駅と合体しており、まことに便利だ。
地下鉄は5元(1元=14円)、バスは2元、タクシーは初乗り12元。
まず向かったのは、宝山区の呉淞にある上海淞滬抗戦紀念館。
http://homepage3.nifty.com/ki43/heiki6/shouko/shouko.html
http://homepage3.nifty.com/ki43/sonota/nakanoin/nakano.html
日中戦争で日本軍が上陸し、ほとんどプライベートライアン状態で
多くの死傷者を出した激戦地である。

実はこの上陸作戦に、私の祖父が参加していた。
生き残ったのはほとんど奇跡だったと本人は言っていたそうだ。
展示自体は出来事を淡々と消化している感じで、むやみに反日を
煽っている感じはしない。入場無料だが来場者は少なかった。
日本語表記はまったくないので、分かる漢字と写真だけで
想像するしかない。
ここで私が戦争について熱く語るかというと、そういう気は全然ない。
なぜなら、今回の旅ではっきり分かったのは、
急速な経済発展で自信と誇りを取り戻した中国にとって、
もう過去の戦争の傷はほとんど癒えていると分かったからだ。
多くの市民の関心は現在の繁栄であって、もう昔のことは興味がない。
今回案内してくれた周さんといろいろ話したり、上海市内をあちこち
見て回って、中国で私が感じたのは、
戦争の加害者としての贖罪意識や、過去の中国を見下す考え、
現在の中国を知らないための脅威論など、日本人の
中国に対する現状認識がずいぶん遅れているということである。
祖父が上陸したとおぼしき海岸は記念館のすぐ近くであり、
行ってみたものの、埋め立てられて軍事施設や港湾施設になっており、
近代的すぎて何の感慨も湧かなかった。
記念館の最寄りの友誼路駅近くのマクドナルドに入ってみる。
ハンバーガーのセットは22元、単品10元。
この近くに耕運機のエンジンを搭載した改造トラックが鎮座しており、
あまりに面白いのでこっそり撮影した。
抗戦紀念館では、思ったほど感慨が無かったので、
刺激に飢えた私はさっそく大学めぐりを始めることにした。
記念館から近い場所に、上海ナンバーワンの大学である
復旦大学があるのだ。
