赤字の第三セクター秋田内陸縦貫鉄道を救え! |
(写真・右から)
畠山智憲 北秋田市役所 総務部 内陸線再生支援室 主査
佐藤廣道 秋田内陸縦貫鉄道 取締役
松橋勝利 秋田内陸縦貫鉄道 総務企画課長
この鉄道はJRの2つの赤字線を引き継いで平成元年に全通した94.2キロの長大な路線ですが、距離が長い上に、国鉄時代の老朽化した設備などの維持経費がかかり、沿線人口は7万人以下と少なく、平成23年には合川と米内沢の高校が鷹巣に統合されてしまうなど、踏んだり蹴ったりが続いており、平成元年には107万人だった年間輸送人員が平成20年には47万人と半減するなど、厳しい経営が続いています。
年間経費は4億7千万円なのに、収入は2億2千万円で、2億4千万円近い赤字を出しており、県と市が補填していますが、自治体ももう厳しいので、真剣に廃止が検討されました。現在は、平成24年までに赤字額を年間2億円以下にすることを条件に、なんとか鉄道を存続させようという話になっており、これが達成できないと、本数の減便や、閑散区間の廃止といった抜本的な対策(→滅亡への道)になってしまうそうです。
沿線人口は減り続け、少子高齢化も進んでいます。通学者が減少し、お年よりは駅まで来るのがおっくうになりました。今のお年よりはマイカーが普及しています。
てこ入れ策として、小中学生をスクールバス通学から鉄道利用にしたり、市の職員がマイカーから鉄道通勤に変えたりするほか、台湾から年間4000人も観光にくるそうなので、そうした海外からのお客さんを集めたり、秋田県民にもっと乗ってもらえるようアピールしたり、旅行業など関連事業の収入を増やしたり、チョロQや鉄道グッズなどを駅で売って物販で収入を補ったり、駅に併設して地元住民が市場を開くなど、観光振興もしています。
本社のある阿仁合駅構内にはうどん屋があり、ヤマイモ入りのコシのあるうどんに馬肉とゆで卵が入って450円。馬肉は微妙な味ですが、名物として売り込んでいます。
ワンマンカーは商工会が雇った若い女性のアテンダント(12名)が乗り込むようになりました。
涙ぐましい経営努力を続ける秋田内陸縦貫鉄道に、ぜひ皆さんも乗りに行ってください。
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