2010年 04月 14日
4/13 嘉悦大学に中退者が減った理由を探りに行く |
東京都小平市の嘉悦大学。
女子短大を改組して2001年に開学した経営経済学部の単科大学で、1学年300人と小さく、そんなに注目されている大学ではありませんでした。
しかし、カトカンこと加藤寛学長が2008年に就任してからは、矢継ぎ早に教育改革を実施しています。なかでも私が注目しているのは、「中退者が減った」ということです。カトカン学長が来るまでの嘉悦大学は、中退率が31%もあり、全国的にもワーストの方でした。どうやって中退者を減らしたのかは、以下のサイトで学長が語っています。
http://www.asahi.com/edu/university/president/TKY200908010184.html
しかし、これだけでは納得がいきません。やはり自分で見て確かめねばと思い、西武新宿線に乗って花小金井駅から7分歩いて嘉悦大学に行きました。
≪嘉悦大学で応対いただいた方々≫
アドミッションセンター 谷口武さん
学長室 室長 貫洞玲子さん
広報センター担当次長 前島功二さん
学長補佐 情報メディアセンター長 専任講師 遠山緑生さん
嘉悦大学が中退者を減らした核心は、やはり初年次教育だとのこと。
コミュニケーション力が足らない今時の新入生が、大学で友達ができなくて一人で浮いてしまい、居場所がなくて中退してしまう。これを防ぐために、グループワークやディスカッションの授業で人と話したり友達を作る訓練をさせます。大学入学後は何となく気の合う仲間どうしで自然に群れてしまう傾向がありますが、あえてそうした自然発生的な友達グループを解体させ、別の友達とも知り合う機会を、こうした授業で作ります。
少人数の大学の利点を生かし、オープンキャンパスや高校での説明会の段階で、関心を持った生徒は個人的に顔を覚えていることもあり、入学しても常に誰がどう過ごしているかがわかり、高校と頻繁に情報交換をする体制ができているそうです。
入学した学生はすぐに「キックオフラリー」というイベントで、基礎ゼミの先生や学生と自己紹介しあうのみならず、先輩のサークルや教員のプレゼンをスタンプラリーで回ります。これで多くの先生や学生と知り合いになれ、すぐに携帯のメアドを交換したりしているそうです。
「いい学生をとるんじゃなくて、入った学生を伸ばす」と遠山先生は言います。1年次の基礎ゼミは35人×8クラスで、クラス担任の先生がアドバイザーとして学生の面倒を見ます。先輩のSA(スチューデントアシスタント)や、NPOカタリバの先輩たちと話すことで、1年生は先輩のロールモデルを知ります。カタリバとの交流は全員必修です。
基礎ゼミはコーチングの概念を取り入れており、将来の就職活動に備えて、1年生から「未来履歴書」を書き、将来を考えさせます。私の本でも多摩大学の樋口裕一先生が、1年生にエントリーシートを書かせて、そこから将来を考えさせる教育をしていましたが、あれと同じですね。
1年生ゼミは学園祭の模擬店参加も「必修」です。経営学・会計学の基礎を学ぶことと、ゼミの35人の仲間で協力して学園祭を成功させることが、学生を成長させるとともに、大学に居場所を作り、中退をさせない大学になってきています。

写真は24時間パソコンが使えるラウンジです。新聞記事や学長インタビューでは、24時間利用や、学内でアルバイトができる点を、中退が減った対策として強調していた気がしますが、私自身は、学園祭全員参加や、先輩との交流が必修である点こそ大切だと思いました。居場所とは設備ではなく、人のことなのです。
2010年度からの新カリキュラムでは、1年時はあえて自由な科目選択をさせず、クラスごとに決まった科目を履修するように変えています。かつての大学は、一人ひとり時間割が違うのを、まるで利点のように宣伝していましたが、これでは友達ができませんし、体系的に基礎知識が付かない可能性があります。
「マスからパーソナルへ」と変化しているのは、メディアだけではありません。大学もこう変わっていくべきでしょう。
←読後にクリックをお願いします
女子短大を改組して2001年に開学した経営経済学部の単科大学で、1学年300人と小さく、そんなに注目されている大学ではありませんでした。
しかし、カトカンこと加藤寛学長が2008年に就任してからは、矢継ぎ早に教育改革を実施しています。なかでも私が注目しているのは、「中退者が減った」ということです。カトカン学長が来るまでの嘉悦大学は、中退率が31%もあり、全国的にもワーストの方でした。どうやって中退者を減らしたのかは、以下のサイトで学長が語っています。
http://www.asahi.com/edu/university/president/TKY200908010184.html
しかし、これだけでは納得がいきません。やはり自分で見て確かめねばと思い、西武新宿線に乗って花小金井駅から7分歩いて嘉悦大学に行きました。
≪嘉悦大学で応対いただいた方々≫
アドミッションセンター 谷口武さん
学長室 室長 貫洞玲子さん
広報センター担当次長 前島功二さん
学長補佐 情報メディアセンター長 専任講師 遠山緑生さん
嘉悦大学が中退者を減らした核心は、やはり初年次教育だとのこと。
コミュニケーション力が足らない今時の新入生が、大学で友達ができなくて一人で浮いてしまい、居場所がなくて中退してしまう。これを防ぐために、グループワークやディスカッションの授業で人と話したり友達を作る訓練をさせます。大学入学後は何となく気の合う仲間どうしで自然に群れてしまう傾向がありますが、あえてそうした自然発生的な友達グループを解体させ、別の友達とも知り合う機会を、こうした授業で作ります。
少人数の大学の利点を生かし、オープンキャンパスや高校での説明会の段階で、関心を持った生徒は個人的に顔を覚えていることもあり、入学しても常に誰がどう過ごしているかがわかり、高校と頻繁に情報交換をする体制ができているそうです。
入学した学生はすぐに「キックオフラリー」というイベントで、基礎ゼミの先生や学生と自己紹介しあうのみならず、先輩のサークルや教員のプレゼンをスタンプラリーで回ります。これで多くの先生や学生と知り合いになれ、すぐに携帯のメアドを交換したりしているそうです。
「いい学生をとるんじゃなくて、入った学生を伸ばす」と遠山先生は言います。1年次の基礎ゼミは35人×8クラスで、クラス担任の先生がアドバイザーとして学生の面倒を見ます。先輩のSA(スチューデントアシスタント)や、NPOカタリバの先輩たちと話すことで、1年生は先輩のロールモデルを知ります。カタリバとの交流は全員必修です。
基礎ゼミはコーチングの概念を取り入れており、将来の就職活動に備えて、1年生から「未来履歴書」を書き、将来を考えさせます。私の本でも多摩大学の樋口裕一先生が、1年生にエントリーシートを書かせて、そこから将来を考えさせる教育をしていましたが、あれと同じですね。
1年生ゼミは学園祭の模擬店参加も「必修」です。経営学・会計学の基礎を学ぶことと、ゼミの35人の仲間で協力して学園祭を成功させることが、学生を成長させるとともに、大学に居場所を作り、中退をさせない大学になってきています。

写真は24時間パソコンが使えるラウンジです。新聞記事や学長インタビューでは、24時間利用や、学内でアルバイトができる点を、中退が減った対策として強調していた気がしますが、私自身は、学園祭全員参加や、先輩との交流が必修である点こそ大切だと思いました。居場所とは設備ではなく、人のことなのです。
2010年度からの新カリキュラムでは、1年時はあえて自由な科目選択をさせず、クラスごとに決まった科目を履修するように変えています。かつての大学は、一人ひとり時間割が違うのを、まるで利点のように宣伝していましたが、これでは友達ができませんし、体系的に基礎知識が付かない可能性があります。
「マスからパーソナルへ」と変化しているのは、メディアだけではありません。大学もこう変わっていくべきでしょう。
by tyamauch
| 2010-04-14 08:09
| 日本の大学

