悲しき金沢大学 |
このキャンパスは、徹底的に人間疎外のキャンパスです。サークル部室はキャンパスからめちゃめちゃに遠い場所に隔離され、学生は山の麓にほとんどが下宿しており、コンビニが1件あるだけの徹底的な山の中。各学部の校舎も大きく離れています。人が集まり、学生文化の花を咲かせることができません。
サークル部室も移転前より狭くなり、しかも複数のサークルで共同部屋になって、音楽系サークルは練習場所が減りました。筑波大学や広島大学も同様の設計ですが、キャンパスに高低差がある分、金沢大学の方が深刻です。しかも教養部の校舎には、「サークル勧誘は禁止」とのポスターが。バカじゃないか。
現在の金沢大学角間キャンパスを歩くと、保健管理センターが学生支援GPによって設置した、ピアサポートルームや、なんでも相談室、ラウンジ、学生支援GPカフェなど、後から無理やり作った学生の居場所やたまり場がやたらと目につきます。これは、以前はこうした場所が一切なく、いかに多くの学生が
大学に居場所がなく、心を病んでしまったかの裏返しです。深刻なメンタルの危機に対し、大学側がようやくこうした対策を取り始めた。遅すぎた感はあります。そもそものキャンパス設計からして、学生が集まったり交流できないようにしているのです。私がここまで酷評するのはよっぽどなので、ぜひ見学を してほしいと思います。
一見、学生に居場所を与えているような学生ラウンジですが、実際には、サークルによる占有を禁止しているため、「もともと友人の居る学生にしか居場所がない」というバカなことになっています。これでも、大学側は改善したつもりなのです。
また、小規模な国際交流会館はありますが、学生寮はありません(市街地には古い学生寮がある)。欧米や中国の大学を見てきた身には、こうした郊外の大規模なキャンパスに、大きな学生寮や学生街がないのは信じられません。多くの一人でアパートに住んでいる学生は、大切な学びの
機会を喪失しています。金沢大学の研究・教育がご立派なのはもっともなことでしょうが、このキャンパスのあり方は何とかしてほしいと切実に思います。(おわり)
