情報系大学より専門学校の方がましか? |
大学より専門学校がトク 2011年版 (YELL books)
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1)最近、様々な大学の関係者から、「情報工学科が就職がない」「情報系の学部学科だと、企業は専門学校を歓迎」「専門学校生のほうが即戦力として評価が高い」という話を頻繁に聞き、「ホンマかいな」と思い、新宿の大久保にある日本電子専門学校で話を聴いてきました。
2)これはあくまでも日本電子専門学校の方がパンフレットやホームページなどの資料を参考におっしゃったことを、私なりに理解したものなので、文責は私にあります。学校には問い合わせないでください。
3)専門学校では、2年の教育で、企業で即戦力になる学生を育てる。情報処理科ならSE、情報システム開発科ならプログラマーとはっきり進路を決めた学生だけが来る。みんな初めから就職先を考えており、就職させるための職業訓練の場が専門学校である。
4)情報処理科の時間割は月~金の朝から夕方までぎっちりである。1時限は50分で、月曜日は1.C言語Ⅰ、2.C言語Ⅰ、3.C言語Ⅰ(実習)、4.C言語Ⅰ(実習)、5.システム設計、6.システム設計
5)火曜はソフトウェア、ハードウェア、SQL(実習)、水曜はITストラテジ、C言語Ⅰ(実習)、アルゴリズムⅠ、木曜はハードウェア、SQL、資格対策講座Ⅰ、金曜はC言語Ⅰ、アルゴリズムⅠ、ホームルームなど。
6)専門学校なので学生の学力は多様だが、ぎっしりのカリキュラムで休ませないことと、遅れた子には補講をしてサポートすることで、徹底的に教育し、卒業までには求められるレベルに到達させる。1年生の終わりにはもう就職活動だ。
7)わずか2年間の間にプログラミング技術(C言語、Java、C#)を実務レベルまで学習。ネットワーク関連、LinuxOSの操作もマスター。システム開発技術も学び、2年間の集大成として各個人でオリジナルのシステム開発を行う。
8)初年度納入金は入学金込みで130万円、2年目は110万円なので、約240万円の学生生活だ。家計の厳しい家庭が4年制大学ではなく専門学校を選ぶのもわかる。授業は1クラス40人が平均で、これはほとんどの授業がPCでの実習を伴うため、大人数ではできないため。
9)就職率は86.9%という数字を公開している。就職希望者か卒業者全体かは聞き忘れてしまったが、まったく就職できなくてフリーターという形で卒業してしまうのは1割前後ということなので、大学に比べて悪いとはいえない。
10)公開されている就職先は富士通、NTTコミュニケーションズ、JR東日本、YAHOO!、カプコンなど大手企業ばかりだが、こうした大手企業でも専門学校採用の枠があるので就職は不可能ではない。ただこうやって有名企業を載せるのは宣伝要素が強い。
11)むしろ注目なのは電気設備の会社や中小IT系で、堅実な雇用と賃金が約束される、いわゆる安定した企業にかなり入れている。これは電気やITなど、確実に手に職をつけている点が技術者として評価されているためだ。
12)多くの、特に偏差値が低いとされる文系大学の就職難は、残念ながらこの、「手に職を付けていないため特定の業界に行けない」という側面がある。専門学校に行った生徒より受験の学力は高いのに、大学での勉強内容が・・・なので、社会に出るときに即戦力にならないのだ。
13)「大学は即戦力を育成する場ではない」。それも一理あるだろう。トップクラスの研究大学ならそれでもよい。ただ現実として、下位大学は「即戦力を作る」という専門学校と受験生を奪い合っており、しかも受験生、親、企業が専門学校の方を選ぶという事実がある
14)「大学」を778校全部「研究志向でアカデミズム大好き」というのは無理がある。世界水準の研究をするとか、リベラルアーツに力を入れるとか、個性があって良いのは当然だ。問題なのは、有名校と似たような教育をして、専門学校に競り負けている無名大学である。
15)電気電子系専門学校のカリキュラムを見た後だと、無名大学の経営情報学科などの専門科目はどうしても見劣りするように見える。就職する業界もITばかりではなく、量販店やサービス業などが多い。多くの学生が、有名校と同じような専門性で就活となる。これでは勝てない。
16)一方で専門学校にも問題はあって、就職の情報をきちんと公開しないため、どの専門学校も全部ダメに見える。実際はそんなことはなくて、ダメなところも優れたところもあるのだが、違いが分かりにくい。
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