なぜ卒業生は母校に寄付金を出さないのか? |
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1)東洋大学卒業生室から『学報228号』が送られてきた。10月30日のホームカミングデーの出欠表が同封されてきたが、一体だれが行くのか、よくわからない。他大学も似たようなものだが、東洋大学も長年、大学と卒業生との関係は冷淡であった。
2)近年、急に大学は卒業生との交流を活発にしようとし始めたが、その目的は、寄付金や就職支援であろうと思う。もちろん、それ自体を責める気はない。だが、長年無関係だった母校に、急に力を尽くそうという卒業生がいないのが、淡白な我が大学だ。
3)まさかアメリカの名門大学のように、卒業生が億単位の寄付金や遺産を寄付するとでも思っているのだろうか。私は、アメリカでそれが成り立つ理由の一つに、彼らが、質の高い教育を受けたことへの感謝があると思う。日本の多くの大学にはそれがない。
4)東洋大学は125年もの歴史があるのだから、企業の社長、自治体の首長、芸術やスポーツで活躍する人など、あまたの著名人や、社会的成功者もいる。だがその多くは、大学ではなく、自分の努力で現在の地位を勝ち取ったと考えているだろう。
5)母校明治大学から、卒業扱いにさせてもらったビートたけしですら、寄付金の手紙は捨てているという。本人がエッセイで書いていた。本当かどうかはわからないが、その可能性は否定できまい。多くの大学は、寄付金が思うように集まらない。それは、
6)在学生を大切にしてこなかったのだから当然だ。定員オーバーでゼミに入れなかったり、抽選で好きな科目が取れなかったり、資格取得に制限があったり、知的刺激のかけらもない大人数講義だったり、横柄な窓口対応の職員だったり、自由なサークル活動を
7)認めてくれなかったり、就職のサポート体制が充実していなかったり、大学時代に多くの学生が、満足な勉学環境・学生生活環境を提供されなかったという不満や怒りを抱えている。どうして大学に寄付金を出そうとするだろう。
8)今後、大学が寄付金を集めたい、卒業生との交流を活発にしたいと願うのなら、まず、今在学している学生を大切にすることである。少しでも改善できる点は改善していくべきである。同時に、
9)ゼミ、サークル、卒業年次、学部・学科、出身県、産業別、業種別などの、細かいコミュニティを丁寧に、少しずつ形成していくべきだ。某三田会と同じである。東洋大学では、ゼミのOB会すらもほとんど存在しないではないか。
10)寄付金を出さない卒業生の思いは、「大学は、在学時も、卒業後も、一人ひとりの学生(卒業生)を大切にしていない」という、心の叫びであり、怒りと悲しみであると私は考えている。卒業生だって本当は母校に貢献したいのだ。
11)もともとない、卒業生と在校生の絆、大学と卒業生の絆を、ゼロから復興させるのは、とても長い道のりである。だが、寄付金や就職支援などで卒業生の力は大きいのだから、各大学は誠実にこのネットワークの構築に取り組んでもらいたいと思う。(終)
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