11/28 紀伊国屋サザンセミナー 瀧本哲史講演 |
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思想史
どんどん観客に発言させるのがうまい。すごい力。こんな人は初めてだ。
日本はお金はありあまっている。ベンチャーは成功できる。でも投資したい会社がない。
一見すると脈絡のないキャリアに見えるが、「意思決定」という点で一貫している。
「武器」シリーズを出そうと思ったのは、マクロ的な時代認識に基づく
日本への危機感
・構造的に衰退に向かっている。
・中央政府やエスタブリッシュメントが機能不全
・海外脱出と残存者利益(日本にはまだたくさんチャンスがある)
近代日本の再定義
・常備軍、官僚制、それを支える大学
・自衛隊、東京大学、京都大学
・エンジェル投資(新しい産業を作る)
「カリスマ」モデルから「武器」モデルへ
・オバマ「チェンジ」への失望
・ワイマール前夜 自燈明
・ジョージソロス(ヘッジファンドの帝王、東欧革命の支援)のコピー機と出版業
・武器と軍事顧問
・世の中を変えるのは20代、30代で、40代、50代はサポート
現代社会の基本ルールと戦い方を全員に普及させる
「武器シリーズ」のコンセプト
全成人がターゲット
・20歳の若者を想定
・「自由人」として生きていくために不可欠な「武器としての教養」
・実際には年齢が高くてもこれから「人」に「成」る人も多い
現代社会の基本ルール
・資本主義、自由主義、民主主義の基本的なルール
・自分で決める(決断思考=ディベート)
・相互の合意が秩序を作る(交渉)
・提案して同意を得る
トーマス・クーンの『科学革命の構造』
『思考の整理学』
橋下さんにはブレーンがたくさんいる
頭のいい人たちによる政府が上から決めてくれる時代は終わった
「実は俺たち何も考えていませんでした」
今後の展開
・18万部は通過点
・全国民が二十歳になる前に読むものとして定番化する。
言語の役割は大きく分けて2つある(アリストテレス)
言語の役割
ロジック 言語を通じて世界を記述し、世界を理解できる(私の本)
頭を鍛えるのがディベート術
レトリック 言語を通じて、人の考え、行動を変えることができる。
言語は世の中を動かすことはできない
今までのディベート本は説得本、営業ツールとして使う。ディベートの本質は意識決定。
×ノウハウ本はダメ。「明日からこれをやろう」とか。私は「自分で考えてください」。答えはない。
言霊思想(日本だけではない) 言葉にしたことが世界に影響する(→思考停止の原因)
危険な思想。自己啓発、スピリチュアル、空気を読む。
明治維新の後は、あまり考えない人を作った。政府の決めたことに従う人を。
言語にも一定の限界があるが、その限界こそが価値とも言える
言語の限界
恣意性 世界をどのように分節するかは恣意的なものである(虹、雪の色)
ソシュール
言葉を通じて闘わせることは重要
全体 手はどっちが鳴っているのか→考えること自体が無意味
僧の行き帰り
非言語的理解 言葉にしたことが世界に影響する→思考停止の原因
ある分類の仕方をして、比較することが言葉の役割
売れた理由
3つのT テーマ、タイミング、チーム。震災前なら売れなかった。想定読者に読ませた。
分けて考えて比較することが、言語を使うことによって、思考の明晰化することの本質である。
ディベートの場合
・メリットとデメリット
・今のままの世界、プラン後の世界(内因性、固有性)
・事実と評価(重要性、深刻性)
・質と量
・エビデンス同士の比較(VS.自然科学)
交渉の場合
・自分の利害と相手の利害(「反する」のではなく、「違う」、パイを大きくする)
・合意した場合と合意しない場合(『BATNA』)
・交渉の合理的要素と非合理的要素
ディベートのメリットの三要素
事実と価値は分けて考えること。
内因性Inherency 現状に何らかの問題があること
重要性Significancy その問題が重要であること
解決性Solvency 問題が、その政策によって解決すること
古典的な交渉理論における基本原則は以下の通り
交渉の基本原則
立場ではなく利害に焦点を合わせる
自分の立場と相手の立場がぶつかっていると考えるのではなく、相互の利害を調整する。
相手の利害を理解し、それを満たすこと自分の利害を実現する。
パイを分ける前に、パイを大きくする
相手側の利害とこちら側の利害が完全に対立していない限り、必ず双方の利益が増やせる解決策を探すことができる。
BATNA(バトナ) Best Alternative to a Negotiated Agreement.合意することが常に正解とは限らない。「合意しない場合」のポジションとの比較で決まる。
BATNAは古典的な交渉理論における基本的な「武器」であり、いろいろな場面での使いこなしが重要
BANTAの活用法
不合理な合意を避ける
交渉を続ける中で、なんとしても合意しようとして、不合理な合意をするのを避ける。
最悪の状況が想定できるので、精神的な余裕を持てる。
自分の「BANTAの改善」という視点を持つ
この交渉が成立しなかった場合の、他のオプションをなるべくたくさん出しておき、その中で最善なものを選んでおく。その過程でBANTAと合理を統一的に評価する基準を作っておく。自分の「本当の」BANTAを相手に悟られないようにする。
相手の「BANTA」の予想・コントロール
相手の価値判断基準・欲しいものを知る。相手側にBANTAに気付かせる。あるいは誤解させる。
すべては、比較による相対的なものである。
・「正しさ」の三条件 主張に根拠がある、根拠が反論にさらされている、根拠が反論に耐えた
・裏を取るな逆を取れ 自分の主張とは逆の情報を集めろ
・ともかく、決めて、「最善解」
・交渉における事実は「相対的」
・価値の本質は「差異」である(「僕武器」)
すべては相対的で、絶対的なものはない。
自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていく。
政府の偉い人が考えてくれる時代は終わった。
言葉こそが最も重要。
東大の弁論部にいた。
言葉を通じて、世界を理解して行こう。
言葉とは何か。
書店で本を買うのは全人口の10%。
僕はカリスマになる気はない。(終了)
(山内メモ)これだけの力量があっても、日本をちょっと変えられるだけ。参ったな。
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