「A Power Magazine」インタビュー |

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外国人留学生向けの電子版フリーマガジン「A Power Magazine」編集部の濱田優 HAMADA,Masaru編集長に、「大学の留学生対策」についてインタビューされました。この記事を、許可を得て転載します。
7月31日公開のA Power Magazine8月号に掲載
http://www.apower-magazine.net/
山内太地(大学研究家)氏インタビュー
YAMAUCHI Taiji
タイトル
“残念な国”日本での大学選び
ツカえる人脈、こう築け
リード
日本の4年制大学をすべて訪問した経験を持ち、大学関連の著書も多い山内氏に、留学生にとっての大学選びのポイントについて聞いた。
学生寮がある大学を探し
教職員を使い倒せ
日本の大学が掲げている国際化、グローバル化は、日本でしか通用しない“ガラパゴスな”国際化。留学生のニーズとはかけ離れています。現状で就職できない留学生が多いのに、国はさらに受け入れを増やすといっている。「学生寮もない、人間関係もつくれない、就職先もない。でも日本に来てね」なんて、国ぐるみの詐欺をしていると言われてもおかしくない。残念ながら日本は、政策的に留学生へのサポートが手厚くない国なのです。
そんな状況を踏まえ、留学生の皆さんに伝えたいのは、滞在中に濃い人間関係を構築してほしいということ。日本人を頼らないと勝ち残れない実態を知り、人脈づくりに力を注ぐべきです。教員でも職員でも、学生でもいい。困ったときに相談できる人を、一人でいいのでつくることです。世界の名門校では、そうした人間関係を作れるシステムが用意されている。アメリカで学生寮に教授が住んでいるのもその一例でしょう。日本人は認めたがりませんが、日本はすっかり“お互いに助け合わない国”になっているのです。だから頼れる存在を自分で見つけなければいけません。
具体策としては、就職課の職員や担当教授を使いたおすこと、学生寮のある大学を選ぶことが考えられます。
まず就職をあっせんする部署(就職課)はどこの大学にもありますから、そこに足しげく通うこと。職員に顔と名前を覚えてもらい、自分に合った会社を紹介してもらう。1度や2度行くだけでなく、好きな女の子を落とすくらいの気迫で何度も通うべきです。日本人学生は弱々しく、就職課すら怖がって入れない若者ばかりですから、留学生の相手になりません。
次に名門国立大学の大学院をめざすことをおすすめしたい。日本の大学、学部レベルは、学生が勉強しなくても卒業できる程度のものですが、国立大学の大学院の研究水準は国際的にも高いところが多い。もし誤って日本の無名大学に入ってしまっても、一生懸命勉強して、教授を使い倒してアドバイスをもらい、名門国立大学の大学院修士課程に入れば、日本に留学しただけのモトはとれます。
そもそも留学生の皆さんが日本の無名大学に入ったとして、そのレベルの学問では物足りないはずです。そこで日本に失望しても学問をあきらめて欲しくなどありません。教授たちとて、学ぶ気のない日本人相手にしていてパワーがあり余っている。ダラけて勉強しない日本人と同じことをせず、教授に個人的に食らいついて、懸命に学ぶことです。特に私立大の文系学部は「大学院のための予備校」と割り切るのも一つの考え方です。卒業後に就職したい学生は、3年時は就活活動があるので、1~2年時にしっかり勉強しておくべきです。
これから大学を選ぶのであれば、学生寮があるところにしたほうがいい。生活をともにすることで密な人間関係が構築できますし、住居費を稼ぐためにバイトに追われていては意味がありません。国立大や、私立なら立命館アジア太平洋大(APU)、早稲田、慶應など。日本人学生と留学生が同じ部屋で住む仕組みになっていて評価できます。海外の大学はキャンパスに寮があって、プライベートで現地の友達がつくりやすいのですが、日本は違います。また寮が無くても、留学生には必ず日本人パートナーをつける仕組みのある大学もあるので、そういう学校を選ぶべきでしょう。
今の日本は
新興国の数十年後の姿
今春、アメリカの名門大学を視察してきましたが、それで分かったのは、“真のエリートたちは助け合う”ということ。先ほど国立の名門大学院を勧めたのは、エリートの互助のシステムに入れるからです。自分が関わっている学問分野のエグゼクティブ、トップ集団に関わることは、キャリア形成に役に立つはずです。残念ながら留学生の就職は、有名大学を卒業しても厳しいですから、名も知れぬ“アホ大学”を出ただけだとなおさら厳しい。仮に大学院に行かずとも、教授や職員を使い倒すことでエグゼクティブのグループに食い込むような就職を目指すべきです。それを1年時から意識的にやっていかなければいけません。
日本に来たことを疑問に思っている留学生もいるかもしれませんが、「今の日本は皆さんの国の20年後、30年後の姿だ」と思っていただきたい。皆さんの多くは、いま著しく経済成長しているアジア各国から来られたのだと思います。皆さんが中心となって働く年齢になるころには、アフリカや中南米などの新たな新興国に脅かされている可能性があります。それは今の日本の姿と重なります。日本人にとっては残念な限りですが、「あのときの日本はこうだった」と知っている皆さんの経験は必ずや生きます。
中国や韓国の方なら特にお分かりかもしれませんが、最終的に頼りになるものは「人脈」です。一族や祖国の友人と築くくらいの、深くて濃い、ツカえる人脈を日本でも作ることを心掛けていただきたい。それを自力でやらなければいけないのは、相当大変だとは思いますが。
日本は留学生を30万人まで増やすといっています。そのすべてが勝つことは“無理”です。せめて私のメッセージを受け取ったあなただけが、積極的に動いて、成功を勝ち取ることをお祈りしています。
PROFILE
1978年岐阜県生まれ。東洋大学社会学部社会学科卒。理想の大学教育を求め、47都道府県、11カ国及び3地域の873大学1163キャンパスを見学。日本国内の4年制大学784校はすべて訪問。著書に『こんな大学で学びたい! 日本全国773大学探訪記』(新潮社)、『アホ大学のバカ学生』(光文社新書・石渡嶺司との共著)など。新刊は『危ない大学』(洋泉社新書・海老原嗣生、倉部史記、諸星裕らとの共著)。
http://tyamauch.exblog.jp/
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