12/17 千葉大学のグローバル人材育成教育 |
1)千葉大学の齋藤康学長、国際戦略室長の渡辺誠 副学長(工学部デザイン学科教授)、学務部留学生課 君塚ゆみ子 課長学術国際部国際企画課 袖山洋志 係長の4人にお会いし、千葉大学のグローバル人材育成教育について伺いました。
2)千葉大学は、高校2年生を終えて大学に入れる「飛び入学」を実施していますが、これに加え早期卒業も可能にし、優秀な人は早く先に進めるようにしています。特に、学部を3.5年で卒業することで、海外の大学の時期に合わせ、すぐに海外大学院に進学できます。
3)一般教養の英語の授業のほかに、英国のブリテッシュ・カウンシルによる「イングリッシュコミュニケーション」という科目を開講しています。1クラス20人で、1年生後期から、最大で半期に4コマまで履修出来ます。今学期は約200人の学生が履修しています。
4)2013年4月からは、「イングリッシュ・ハウス」という、9時~5時で開いている英語学習スペースもできました。毎日お昼休みに、ランチを食べながら、肩の凝らない雰囲気で英語でおしゃべりを楽しんでいます。
http://skipwise-chiba-u.jp/activity/brushup/
5)アクティブ・ラーニングを多用した、「国際日本学」という副専攻も設置しており、全学の学生が参加できます。この副専攻で48単位が用意されており、修了すると副専攻を修めた証明となります。
6)イングリッシュコミュニケーションの授業は、聞く、話す、読む、書く、語彙の5技能を伸ばすことを目的としています。海外や国内で英語でボランティアやインターンシップも推奨しており、目標は年間200人の学生の参加だそうです。
7)千葉大学では、英語のほかに中国語、朝鮮語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語などの語学科目が開設されており、学生はいくらでも自由に履修出来るので、3カ国語、4カ国語を修める学生もいるそうです。
8)千葉大学では、毎年約700人の学生を海外留学に送り出しています。齋藤学長は、大学の方針として、他大学に多い、一部の学生だけのエリートコースの設置をやらず、全学生が何らかの形で参加できるようなグローバル人材育成をしたいと考え、こうした取り組みをしています。
9)このほかには、「グローバルスタディプログラム」として、フィンランドから千葉大学にやってきた学生と、全学から選抜した千葉大生が一緒に学ぶプログラムがあります。園芸学部の目玉である植物工場を見学するなど、総合大学らしい教育をしています。
10)大学院工学研究科のデザイン科学専攻では、CODEという素晴らしいプログラムがあります。これは、千葉大学の工学部デザイン学科を3.5年で卒業後、千葉大学の修士課程に進学するのですが、まずいきなり半年はニューヨークのパーソンズに留学します。
11)これはParsons The New School for Designという、ニューヨークの世界的なデザインの大学等で学べるものです。さらに、次の半年は、イギリスのGlasgow School of Artでデザイン教育を受けます。渡辺副学長いわく世界最高の環境とのこと。
12)米国と英国で世界最高のデザイン教育を半年ずつ受けてから日本に戻り、千葉大学の大学院を1.5年で修了します。ほとんどタイムロスがない上に、日本の大学院でも十分に学ぶので、就職などの準備の余裕があります。これら英米の海外大学の学費は一切かかりません。
13)大学4年後期が米国、修士1年前期が英国となり、なんと6年で修了できます。これらの大学の学生とサービスやプロダクトの提案をするワークショップ授業なども開講されています。TOEIC700点台であれば参加できるので、千葉大生にはそれほど高いハードルではないでしょう。
14)もう一つの大学院の目玉は教育学研究科のツインクルです、これは、大学院教育学研究科の定員80人中40人が参加し、他の研究科の院生とコンビを組んで、ASEAN諸国の小中高校で教育実習をするものです。http://ssc.e.chiba-u.jp/twincle_dir/twincle.html
15)ASEAN諸国で単なる教育実習をやるのではありません。医学や工学の院生と2人で、日本の最先端技術を1週間レクチャーするのです。このプログラムの期間は2週間、1か月、6か月など複数用意されています。
16)グローバル人材育成というと、英語力と留学だけが目玉の大学が多すぎます。千葉大学は、「高い専門性あってのもの」+「全学生が対象」という点で、非常にすぐれています。一方で、宣伝という意味では地味になりがちです。何とか私がPRしてお役に立ちたいと思います。(終)
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