プレジデント 年代・出身大学別 幸せ度ランキング[1990年代就職組] |
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140123-00011722-president-nb
出身大学はその後の人生にどれだけ影響するのか? これを明らかにするために、プレジデント誌では1970年代~2010年代の各年代に就職した関東、関西の働く男女計1000人にアンケート調査を実施。年代ごとに周りから見て「就職時に勢いがあって幸せそうな人」と、「今も幸せそうな人」の出身校について聞いた。
----------
調査概要/楽天リサーチの協力を得、12年8月2~6日にかけてインターネットを通じて調査を実施。調査対象は関東、関西の働く男女各500名。
----------
■マンモス校なのに全員参加の体育祭
男子では、なぜか関西大の評価が高い。ほかは順当だが、学生数の多い日本大、近畿大はこの年代でも高評価だ。明治もじわじわと目立ち始め、立命館、京都産業といった関西勢も上昇。
一方で、上智、青山学院、立教といった首都圏の高偏差値ミッション系大学はまったく登場しない。同志社や関西学院は、ミッション系であることが評価されているわけではなく、関西の巨大な名門校であることが高評価の理由であることがはっきりとわかる。
女性では東京でもミッション系は就職時に幸せそうに見えるものの、「今の幸せ度」は振るわない。まだこの時代の女性社員は寿退社が多かったせいもあるだろう。そんな中、日本女子、武庫川女子、京都女子の3校が、今の幸せ度も高い。何が違うのか。
女性の幸福を考える点で、武庫川女子大が特筆される。一般には全国的知名度は低いのに、やたらランキングに登場するのだ。同大学は、学生数8400人、短大を含めれば1万人を超える日本一のマンモス女子大である。80年代後半から90年代前半、人口激増期にバブル景気が重なって大学進学希望者は急増、文部省(当時)は多くの大学に臨時定員の増加を認め、各大学が学生数を大幅に増やした。これでは教育水準が上がるはずもない。
(写真)武庫川女子大学 副学長 今安達也氏
しかし武庫川女子大学は当時、学生増の中でも、他大学に先駆けた担任制の導入、全員参加の体育祭や合宿研修、今では当たり前の1年生のゼミ、出席を重視した厳しい授業管理、学生の声を反映した教育の改善など、学生増加にあぐらをかく他大学とは正反対の、教育重視の視点を強く打ち出したのである。「学生が増えて、ようけ授業料をいただけるんですから、教育に還元するのは当然だと思いました」と今安達也副学長は振り返る。
当時、学生アンケートで意見を聞いて教育を改善する試みは、教員からの猛反発を招いた。だが、クラス担任制や行事などで帰属意識を高め、仲間や教員との絆を深めた卒業生は、社会で活躍し、高い評価を得ている。武庫川女子大の幸せ度が高いのは、卒業生の大学への感謝の思いの強さでもある。
00年代、10年代になると武庫川女子の順位は落ちてくるが、今安氏は「よそ(他大)がやり始めたからや」と冷静に分析している。90年代はマスプロ教育オンリーだった関関同立など関西の名門大が、こぞって教育水準の向上に努め始めた今は、武庫川女子大には試練の時かもしれない。「ウチは今後もずっと女子大でやっていきます。男性有利な社会の中で、手に職を付ける実学を売りにした女子大としてのニーズがある。これからも、学生のニーズに応えるカリキュラムを編成し、教育指導にも力を入れたい」。
ツイート
←読後にクリックをお願いします