2014.05.25 愛知淑徳大学の初年次教育とキャリア教育 |
2014.05.25 愛知淑徳大学の初年次教育とキャリア教育
2014年5月25日(日)、愛知淑徳大学星ヶ丘キャンパスのオープンキャンパスで、初年次教育部門長 小倉斉 教授(文学部国文学科)による保護者向けガイダンスを聞いてきました。キャリアセンター長の三浦克人教授(ビジネス学部)によるキャリア教育・キャリア支援の講演もまじえてお届けします。
愛知淑徳大学は、初年次教育に非常に力を入れています。まずは、高校生への「入学前指導」。大学で専門知識を着実に習得できるよう、入学前に基礎学力の充実を図ります。まず、高校1~3年生を対象とした「体験講義」。オープンキャンパスと異なり、在学生と共に講義を受講する(事前申込制)。さらに、指定校制推薦入試、AO入試合格者への入学前指導として、全学科共通で、教員が編集した「日本語」「英語」の基礎的運用能力を高める「ドリル式課題」を課す。課題は12月に渡し、3月に提出、5月にアドバイスをする。大学での学修に対する早期の動機づけと、4年間の学修をより効果的にするための基礎力をつける。
「学生生活報告会」は、高大連携推進提携校の生徒を対象に、これらの高校から愛知淑徳大学に入学した在学生が出身高校を訪問、あるいは高校が大学見学会で来校した際に後輩に向けてキャンパスライフを語る。進路選択に役立つアドバイスが目的。
「入門講座」は、高大連携推進提携校からの指定校制推薦入試による入学予定者に対し、「大学で学ぶことの意味」や「大学における情報・知識の獲得方法」など、入学してから学生生活や学修がスムーズにスタートできるよう、大学教員が学内で3月下旬に集中講座を開講する。
●入学後
入学時の初年次教育としては、新入生全員が、TOEIC IPテスト(英語)、大学生学習能力調査(国語)、新入生向け基礎学力チェックテスト(数学)の3つの学力テストを受け、さらに、学習実態調査(学生アンケート)を行う。これは入学時における基礎学力を把握するために実施。その結果に応じて、アドバイザー教員が履修指導を行う。
すなわち、入学直後に全員が学力テストを受け、アンケートに答えることで、「学生カルテ」が全員分できる。これは教員が学生との面談の内容を記録するためのツールで、その情報を学内のネットワーク上で一元管理・共有し、教員同士が連携して学生を支援する。入学時のテストやアンケート結果から、在学中の資格取得、クラブ・同好会・委員会の入部・入会状況も一元管理する。
●学生カルテに掲載される主な内容
入試、学籍、奨学金、クラブ活動、ボランティア活動、履修単位集計、履修科目一覧、時間割、就職先、インターンシップ、新入生アンケート(高校時代、大学入学時・入学後・卒業後)、資格関連(学習実態調査(英語/国語/数学)・漢字検定・日本語検定・TOEIC.TOEFL・簿記・ITパスポート・HSK)など。
この学生カルテをもとに、1年次の5月と10月に、全学生がアドバイザー教員と個別面談をし、学生生活のサポートをしてもらえる。面談は2年次も実施され、その後はゼミの教員に引き継がれる。
学生は、教員の学生カルテのほか、「ASキャリアデザインファイル」を自分で記入する。これは大学での目標や実際に行った活動を自ら記録し、自分と向き合いながら将来に対する考えを深めるためのツールで、教員との面談に活用し、記入した内容をもとに学生が自分の思いをより明確に伝えることができ、アドバイザー教員からより的確なアドバイスを得る。キャリアアドバイザー職員との面談には、「ASキャリアデザインファイル」への記入が必須である。教職志望者には「教職履修カルテ」もある。
1年次の全学必修の基幹科目は「違いを共に生きる」「ライフデザイン」のほか、「日本語表現T1」があり、大学の学修や社会生活の基盤となる日本語表現力を養い、思考力とコミュニケーション能力を高める。この授業は小倉先生いわく「厳しい内容」とのことで、30人クラスだそうだ。応用科目としては「ビジネスリーディング」「ビジネススピーキング」「アカデミックリーディング」などがある。愛知淑徳大学は、社会人になるための国語の科目が、このようにとても充実している。
入学時にはこのほかに、新入生全員参加の研修合宿(学科・専攻ごと)、『大学生のための読書案内―入門編―』という専任教員による読書ガイドブックの新入生全員への進呈がある。ちゃんと読んでね。
資格取得サポートは、英語(TOEIC IPは年2回、TOEFL ITPは年1回無料で学内受験できる)、中国語(HSK 試験対策科目を履修している学生は年2回無料受験)、韓国語能力試験(科目履修者は年2回まで大学側が受験料を負担)、情報(ITパスポート試験、基本情報技術者試験、学内プレテストの条件を満たすと受験料全額補助)、会計(日商簿記、各級につき1回受験料免除)、日本語(漢字検定、日本語検定、年1回の日本語検定は無料受験できる)。ほかにも各種資格対策講座がある。
●キャリアセンター長 三浦克人教授(ビジネス学部)による、キャリア教育とキャリア支援の話から。
2015年からは就職活動が後ろ倒しになり、企業説明会は3年生の3月スタート、採用活動は8月、内定は10月に(大混乱だぜ)。
愛知淑徳大学では、インターンシップのさらなる充実、非ビジネス系学生への支援として3年生後期に「ビジネスの世界(仮称)」を新規開講。内定者の支援と早期離職の防止のため、4年生の科目として「新人力・基礎(仮称)」を新規開講。キャリアセンターが23講座を開講するほかにも、非ビジネス系学生に会計教育センターの日商簿記検定を進めている。
・会計教育センターによる充実の支援体制
①資格の大原によるプロの授業
②検定日(2月、6月、11月)に合わせた講義スケジュール
③正規授業として開講。受講料無料、卒業単位に参入可
④検定料は大学負担(再チャレンジ制度あり)
⑤合格者には成績ランクアップ
簿記の学習を通じて、ビジネスの基礎知識、学習姿勢への評価を得られる。
在学生の保護者への情報提供として、例年5月に教育懇談会を開催するほか、「保護者向け就職セミナー」を例年9月か10月に開催し、現状報告と講演会のほか、インターンシップ説明会、公務員説明会、内定者報告会、個別相談会、ティーパーティー(1年生の親も参加)などを開催。
・入試について
メインは3教科入試。1教科入試も実施しているため、学科によっては、理系受験生が数学1科目だけで文系学部を受験することも可能。センター4教科型入試もある。
日曜の夜に名古屋の自宅で書いて疲れた。
ツイート
←読後にクリックをお願いします