中堅私大卒よりも高卒マイルドヤンキーのほうが幸福な理由 |
私にとって長年の謎でしたが、以下のサイトのこのように上手に説明されていました。
http://www.mynewsjapan.com/reports/2121
1つは、地場の商業・工業高校・専門学校などを卒業し、地元で続けている小規模な家業を継ぐか、整備工や美容師など専門職につき、いわゆる「マイルドヤンキー」化して地元に根付くケース。この場合、高校時代までの友人を一生の友とし、夫婦共働きの世帯年収400万円程度で、イオンモールやドンキホーテとその周辺を活動範囲として、軽自動車で動きまわりつつ、親の持ち家を相続して、一生を穏やかに過ごす。
もう1つは、頑張ってMARCH等の大学を卒業し、流通や外食(イメージとしてはABCマートやワタミなど)といった、人気ランキング圏外の、バリューチェーンで下流に位置する企業に就職し、ブラック労働に耐えつつ、国内を転々としながら年収400~500万円の生活を送る。または、地銀・信金でキツいノルマを課され、ドサ周り営業に励む。こちらはマイルドではなく、少々ハードなヤンキーになる。
大卒の出世頭は、試験に受かって地方公務員になるケースと、民間なら、生保や住宅の営業マンになるケースで、平均以上の給料を得て、「デキるタイプ」と似たような職業人生になるわけだが、ごく少数だ。
◇「マイルドに貧しいヤンキー」に
ところが、これらのそこそこハッピーだった人生パターンは、国内市場の縮小によって、今後は貧しくなることが確定している。今の10歳が働き盛りの45歳=2050年には、既に人口1億人を割っている(国立社会保障・人口問題研究所の推計)。1億3千万人⇒1億人割れというだけでも3割近く減るわけだが、活発な消費者である労働力人口(15歳以上)はさらに大きな比率で減ってしまい、日本は、引退して資産を貯め込んだ高齢者だらけの国になる。拡大するのはオレオレ詐欺のような高齢者目当てのマーケットだけだ。
日本創成会議の推計によれば、そもそも人口減少によって、2040年までに20~39歳の女性が半減する自治体が、全国約1800市町村のうちの半数にのぼり、自治体そのものが消滅危機に陥る。高齢者ばかりになり、ヤンキーの餌場すら維持できなくなり、田舎町を追い出されるのだ。
公務員給与や年金収入といった「制度から出ているお金」は安泰かといえば、かなりの確度で予想される財政破綻(国債価格の暴落)とハイパーインフレによって目減りし、実質的に3~4割のカットは免れないはずである。
年金や保険といった福祉はカットされ、国際的にみてまだ低い消費税は当然のごとく引き上げられることが予想されるなか、これらのヤンキー組は、どんどん生活が苦しくなり、真綿で首を絞められるように徐々に貧しくなっていく。つまり、明るく呑気なマイルドヤンキーから、「マイルドに貧しいヤンキー」になっていく。
こういう近未来がわかっていながら、あえて国内市場という不利な環境に限定して生き抜くほうを選んでも、面白いことは何もない。もはや海外市場と無縁で職業生活を終えられる人は限定的になっていく。どんな業界でも、客が3割減るのは苦しい。子供が能力を活かすフィールドを狭めてしまうことを、親としては、見過ごすべきではない。
ツイート
←読後にクリックをお願いします