2015.2.3 金沢学生のまち市民交流館に行く |
1)池袋に住んでいたころ、夜6時に立教大学の前を通ると、大量の学生が帰宅していく。それを見て、「もったいない」と思っていた。今どきの学生はサークルにも入らない人が多いし、放課後を有効に活用し、いろんな大学の学生が集まって、市民と一緒に地域の活動ができる拠点があればいいのに。
2)金沢には、市街地に学生が集まって、市民と活動する場がある。それが「金沢学生のまち市民交流館」だ。大正時代の町屋をリノベーションし、料亭の大広間を用いたホールもある。学生と市民が交流したり、まちづくりの情報交換や学習ができる拠点となっている。
3)交流館の営業時間は10時から22時で、特に、授業が終わった夕方以降が学生でにぎわう。定休日は月曜で、年末年始に長期休館する以外は、日曜祝日もやっている。これを金沢市が主導していることがまず驚きだ。ホールは有料で市民も利用できる。
4)東京でも名古屋でも、再開発で新しい街ができると、商業地ばかりである。地域住民、一般市民、子ども、大学生や中高生が集まって、日曜の夜までまちづくりや様々な活動ができる場が、どうして池袋や渋谷や六本木や品川や名古屋の栄にできないのだろうとずっと思っていた。
5)交流館の町屋や「学生の家」と名付けられている。サロンと和室は誰でも使用でき、20帖の土蔵はホワイトボードがあって会議をしたりギャラリースペースにもなる。2階は和室が何部屋もあり、会議をしたり、つなげて大部屋にもできる。ただし、大正時代の町屋は寒い。
6)交流ホールは80帖もあり130人も入れる。ここで様々なイベントもできる。貸室を使用できるのは、学生団体、大学など教育機関、町会など地域団体、金沢市協働市民団体登録制度の登録団体など。フリースペースにはコーディネーターが常駐しており、学生と市民のマッチングや、
7)市民活動や協働に関する相談、交流館を利用した持ち込み企画の提案などに対応する。飲食も可。マッチングボードが設置され、「こんなことができます」「こんな人を探しています」など、人とつながるための発信手段としてだれでも利用できる。
8)フリースペースは、軽食、仲間との待ち合わせ、勉強、打ち合わせなどに誰でも使える。私が商業地として再開発される街に、お金を稼ぎたいという意欲は感じても、精神的な余裕を感じないのは、こうした「人が集まる公共の場」がないからだ。実は都会よりも地方都市のほうが駅前にこうした場がある。
9)交流館の和室は、学生団体は無料で借りられる。130人のホールも学生団体は無料だ。市民団体は有料で使える。大正時代の町屋はそれ自体が金沢市指定保存建造物なので、観光客も見学できる。情報エリアには学生や地域、市民活動の情報が集められている。
10)市街地に学生が自由に集まって活動ができる拠点のある街は、まだまだ少なく、東京には全然足りません。「金沢学生のまち交流館」のような動きが、全国に広まっていってほしいと思います。
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