2021年 05月 11日
教養から情報へ |
宮崎国際大学。長年の定員割れからの脱却は喜ばしいですし、関係者の努力も尋常ではないと思いますが、公立大だったらもっと学生募集は楽だったでしょうね。
宮崎市には、宮崎国際大学のような本物の米国型リベラルアーツカレッジと比較すると、やや微妙な存在の宮崎公立大学があり、少ない客を奪いあっているのが悲劇的だと思います。隣県の大分にはAPUもありますし。
高い学力層の受験生が来ないと、定員は充足しても、卒業後の学生の活躍が厳しく、なかなかブランドが上がってこないです。宮崎国際大学の苦しい戦いは続きます。
国際教養大学や早稲田大学国際教養学部、立命館アジア太平洋大学などが次々と誕生した2000年代前半と比べると、世の中のリベラルアーツに対する熱は下がっているように私には感じられるのですが、いかがなものでしょうか。
本場アメリカでは、哲学や歴史といった人文系は就職が無いので受験生人気が低く、縮小する大学もあるそうじゃないですか。日本はメンバーシップ型雇用と終身雇用・年功序列幻想に守られて、文系においては大学で学んだ専門分野が何かではなく大学名で就職が決まる傾向がまだまだまだ強いからこそ、有名大学の文学部や国際教養学部は高いブランド力を維持したまま人気学部でいられるのです。
今でも国際教養系学部の新設は続いていますが、20年前の日本にまだ今よりも国力があった時代のブームだったものですから、今から新設する大学は、受験英語が得意な受験生の人気は獲得できるかもしれませんが、高度職業専門性、ジョブ型雇用に対応しないと、相当に厳しいと私は思います。
利害関係が無いから実名出しますが、武蔵大学や神田外語大学の新設する国際教養系学部が、現在のそれぞれの大学のポジション以上の人気になるには、相当な変化が必要でしょうし、公立大学が新設している国際系学部が高い評価を得られるかどうかは大変微妙です。
2020年代の「教養」は「情報」です。これはコンピュータサイエンスや情報工学を専門にしろというのではありません。従来型のリベラルアーツに加え、システム開発、AI・ロボット、データサイエンス、ゲーム、CG、映像、プログラミング、EdTech、VR・ARなどの教養レベルの知識があり、Gsuite、YouTube、ドローン、WEBマーケティング、ATEMのデジタル配信がビジネス運用できる状態で大学3年生として就活をスタートできないといけない。「ブームだからデータサイエンスコースでも作るか」という大学は、「ブームだから国際教養学部でも作るか」という大学と同じ失敗をしようとしています。
by tyamauch
| 2021-05-11 06:35

