文武両道のハーバード |
ロースクールに隣接して、Soldiers Field Athletic Areaというスポーツフィールドがある。ここにはハーバード大学のスポーツ関連設備が集中しており、グランド、野球場、テニスコート、陸上競技場、屋内プールなどのほか、体育館、アイススケート場、ソフトボールやテニスの屋内競技場まであり、多くの学生がさわやかに練習に励んでいた。
スポーツフィールドだけでハーバード大学のメインキャンパスに匹敵するほど広く、野球場もグランドも陸上競技場も、全部2つある。テニスコートは屋外だけで26面(室内は不明)。こんなに充実したスポーツ設備が都心にある大学は日本ではお目にかかったことがない。
古代ローマのコロシアムのような「ハーバードスタジアム」はフットボールやラクロス、フィールドホッケーに用いられ、壮大な観客席を見ていると、ここでスポーツ大会が開かれる際の学生たちの歓声が聞こえてくるようだ。
チャールズ川ではボート部が練習に励んでいた。川に面したボートハウスは、風景画のように川面に溶け込んだ古風な建物で大変美しい。ちなみにハーバード大学では競艇部のボートハウスに至るまで2つ所有している。メインキャンパスからも近いので、大学Tシャツやパーカーを着て街を歩いたりランニングをしている学生を多く見かける。スポーツをしていなさそうな女子学生も普通に大学グッズを着ており、実はファッションという意味では日本の女子大生ほどオシャレではない。しかし、あまりにも自然にカジュアルな服を着こなしているので、とても洗練されて見える。
アメリカには名門私立大学8校で構成される「アイビー・リーグ」というスポーツリーグがあるのはよく知られているが、実際に充実したスポーツ設備を見ることで、学術だけでなくスポーツでも、これらの大学同士が高い水準で競い合っていこうという気概が感じられた。重要なのはスポーツにいくら力を入れようとも学業をおろそかにしない点で、テスト用紙に「相撲部」と書けば卒業できる日本とは違う。まさに文武両道の人たちなのだ。
次回はいよいよマサチューセッツ工科大学に向かいます。