コロンビア大学 |
コロンビア大学は1754年設立。2万4000人の学生を擁する総合大学で、ノーベル賞受賞者数82名(取材時)は英国のケンブリッジ大学に次ぐ世界2位(全米1位)の、世界最高峰の大学のひとつである。文化、芸術、経済、科学技術などの情報が集積しているニューヨーク市マンハッタン区という立地は、世界で最も便利な環境と言っても過言ではないだろう。海外出身者の学者や留学生も150カ国8,000人がおり、全米2位の数で、国際化が進んでいる。日本にも進出しており、水道橋で英語教育の修士号が取得できることは、あまり知られていない。
http://www.keikotomanabu.net/college/0000117520/0000117520.html
地下鉄を降りるとすぐ大学があり、市街地なのでそれほど広いキャンパスではない。また、医療系学部はキャンパスが離れている。最初に学生会館「Lemer Hall」に行くが、地下のBook Store以外はIDを見せないと入れなかった。Book Storeは書籍もさることながら大学グッズの衣服がユニクロの店舗並に充実しており、大学名の入ったスーツ上下まであった(さすがにロゴは目立たない)。
キャンパスの中央はCollege Walkという一般道が横切っており、中央は芝生で、その両端にコロンビア大学の象徴 Low Memorial LibraryとButler Libraryが向かい合っている。どちらも重厚なギリシア風建築だが、もちろん図書館はこの2つだけでなく、25の図書館に930万冊が所蔵されている。Low Memorial Libraryの1階がVisitors Centerになっており、キャンパスマップやパンフレットがもらえる。訪問時はなぜか理工学部の案内書だけが無料配布だったので入手してきた。カリキュラムなども図入りで詳細に記述され、とても参考になるが、全部英語なので当分読みそうにない。
Low Memorial Libraryは全米最大規模の総大理石造りのドームで、中はとても広くて天井が高く、巨大な大聖堂のような静かで荘厳な雰囲気に満ちていた。ここにはステージが用意されており、行事などで使用されている雰囲気で、こうした場所でイベントを開催すれば、誰もが誇りを感じるだろうと思った。Low Memorial Libraryの外の階段では、学生が座り込んだり寝転んだりしてくつろいでおり、開放的な雰囲気だった。
各校舎には名称がついており、ピューリッツァー賞を運営するジャーナリズム大学院が入居する校舎には「Journalism」、世界屈指の数学図書館を擁する数学科校舎「Mathematics」、哲学科の校舎「Philosophy」などは、誇らしげに校舎名のエンブレムが掲げられており、大変に格調高い。化学科の校舎「Havemeyer」に入る。この校舎からノーベル賞が7人出ている。なぜか出入りは自由で、研究室のドアまでたどりつけてしまった。中を覗くと、学生たちが熱心に化学実験をしている。哲学科の教授の研究室のドアが開いていたので中を覗くと、こちらは日本の文系学部の研究室と同じぐらいの広さで、日本と大きな違いはなかった。
コロンビア大学は、ハーバードともMITとも違う、都市型大学の雰囲気を漂わせていた。私のつたない言葉では表現しつくせない、学問に対する情熱と誇りと敬意の空気は同じだが、何ともいえない自由で開放的な雰囲気は、コロンビア大学の方がより顕著な気がする。文系と理系の大学院がバランス良く共存しているためでもあるだろうし、ニューヨークという都市がそうさせるのかもしれない。キャンパス内は観光客や一般人が多く歩き回り、近隣に有名な教会が2つあることもあって、立派に観光地となっている。Book Storeなどはキャンパスではなくブロードウェイに面しているほどだ。私は観光客としてコロンビア大学を垣間見ただけだが、それでもやはりこの大学の魅力を体感することができた。
次は911テロの現場、ワールドトレードセンター跡地「グラウンド・ゼロ」に向かいます。