ニューヨーク一日散策 20071016 |
2007年10月16日(火) 晴れ
目が覚めると、ここはニューヨークなんだなあという感慨があった。
この日は1日中ニューヨーク観光をすることにしているので、軽装で出かける。まずはホテルの近くのエンパイアステートビルに登った。86階まで$18。普段はかなり混雑して待たされるそうだが、平日の朝なので空いている。ニューヨークの市街を見下ろして風に吹かれたりした。
降りてきて街を歩き、ニューヨーク公立図書館へ。ここもかなり大きいが、まだ空いていなかったので、目の前にあるブックオフに入る。日本と品ぞろえはほとんど変わらない。続いてグランド・セントラル駅に行く。ここは重厚な昔ながらの鉄道駅だが、ビルに囲まれて列車は地下を走っており、今は近距離列車しかこないので、どうも盛り上がらない。
さらに歩いて国連本部に行く。せっかく行ったのに世界各国の国旗が1つも掲揚されていない。厳しい検問を抜けて国連本部の中に入り、お土産物屋を眺める。ガイドツアーやパンフレットは第二次世界大戦の戦勝国のものしかなく、敗戦国のみじめさを存分に味わった。
バスに乗り、ロックフェラー大学を見に行く。石油王ジョン・ロックフェラーゆかりの生物学・医学分野の大学院大学で、23人のノーベル賞受賞者がいる名門研究大学だ。前身のロックフェラー研究所で野口英世が研究していたことで有名。ここで印象に残ったのは、学内に保育園があったことで、大学院生やポスドク、あるいは教職員が研究と家庭生活を両立する手助けをしている点がとても素晴らしかった。優秀な研究者が男女を問わず研究に没頭して婚期を逃してしまうのは惜しいことで、こうした事態を大学が率先して防いでいるのは、日本の大学も大いに見習ってほしい。
バスを乗り継ぎ、メトロポリタン美術館に行く。バスの中は女性やお年寄りが多く、高低差があり治安も危険な地下鉄を避けているのが一目瞭然だった。メトロポリタン美術館の目の前にはニューヨーク大学美術学部がある。最高の立地だ。
メトロポリタン美術館は$20も取られた。中は広すぎて、大英博物館もボストン美術館も一応全部見た私も、さすがにここではすべての展示品を見ることができなかった。それにしても古代エジプト、ギリシア、ローマ、オリエントの文物が多すぎる。これらの地方の宝物を欧米列強が持ち出してしまった近代史をまざまざと見せられた。ただし、彼らが発掘・研究しなければ歴史的価値が見出されなかった側面もあり、一律に略奪だと非難するわけにはいかない。
メトロポリタン美術館でかなりの時間を費やし、足が棒のようになっていたが、根性でセントラルパークを歩き、ニューヨーク近代美術館に行く。休館日だった。
気を取り直して、もう一度ロックフェラーセンターを通り抜け、ニューヨーク公立図書館に行く。何カ所もの検問にあきれたが、図書館はとても大きく広く、重厚な建築は見ごたえがあった。これだけの知の宝庫で勉強ができるというのは、なんと幸福なことだろうか。
ここからタイムズスクエアに行き、ブロードウェイミュージカルの劇場を眺めたり、吉野家でビーフボールを食べたりした。続いて地下鉄でマンハッタンを南下し、ニューヨーク大学に行く。学部生約19,000人、大学院生約31,000人というマンモス大学である。ノーベル賞20人、ピューリツァー賞13人、アカデミー賞19人、映画や音楽、演劇などにも強い、米国有数の名門大学だが、市街地にビルが点在するキャンパスで風情はない。また、治安が悪いらしく、すべての校舎で警備員がIDカードをチェックするため、気軽に見学できる雰囲気ではなかった。
観光名所ブルックリンブリッジに行くため、さらに地下鉄で南下する。最寄駅の地上にペイス大学という大学があったので、ついでに行ってみるが、ここもIDチェックが厳しくて気分が良くなかった。聞いたことがない大学だが100年の伝統があるらしい。ここから夜景の美しいブルックリンブリッジを渡るが、夜は怖いので私が渡ったのは夕暮れ時だ。対岸から見るマンハッタンの摩天楼はやはり美しい。新婚カップルが写真撮影をしていたのでこっそり撮影したら、恐ろしく芸術的な写真が撮れた。
なんだか行ったところを箇条書きしたような日記になってしまったが仕方がない。いよいよ翌日は日本への帰国。米国旅行記もおしまいです。