2008年 05月 06日
社会福祉の危機 |
社会福祉学部が不人気である。介護福祉士養成大学の8割が定員割れというニュースも出た。福祉現場が低賃金、重労働であることが高校生にも知れ渡り、すっかり受験者がいなくなってしまったのである。
福岡医療短期大学栢豪洋学長のレポート(www.fdcnet.ac.jp/fdc/topics/kaigo_jcol.doc)が参考になるので引用掲載する。
(以下引用)
わが国において、介護福祉士は高齢社会到来に対応する介護サービスの専門職として位置づけられ、その教育は昭和63年より開始され現在に至っている。国家資格制度が創設され今年で20年が経過する。国家資格でありながら、資格取得へのルートが多くあること、また、資格自体が「名称独占」であり、「業務独占」でないことから、労働環境および現場を取り巻く環境は非常に厳しい状況が続いている。
現在、施設の職員配置基準には、介護職員として、有資格者である介護福祉士の配置基準はなく、介護職員として包括されているのが実情である。このような処遇から生じる問題として、国家資格を持ちながら、無資格者と同等の給与体系であること、資格自体が「業務独占」でないことから、資格がありながら専門性を評価されにくいなどが、介護福祉士の社会的評価や職場における処遇の冷遇を招き、期待に胸膨らませ就職しても、職業人としての自信を無くし退職してしまうことも現実である。
平成14年3月、社団法人日本介護福祉士会調べによる、「介護福祉士現況調査報告書」では、離職理由(複数回答)として、健康上の理由23.1%,仕事内容がきつい、17.6%,給与が安い15.0%,仕事にやりがいが感じられない11.0%,社会的評価が低い8.6%,と厳しい職場現状がうかがわれる。また、「介護サービス施設・事業調査」によると、介護施設における介護福祉士有資格者の従事者の割合は、平成12年で32.9%,平成16年で41.7%と50%に満たない状況である。
現在、介護福祉士は、資格取得ルートの多様化に加え、職種としての待遇の悪さは、「きつい」「汚い」「危険」の3Kなどいわれ社会問題ともなっている。
このようなことから、近年、介護福祉士養成施設への入学者数は年々減少し、養成校にとっては存続の危機にさらされており(中略)学生募集のために高校訪問を行っているが、1、国家資格でありながら職場での処遇が悪い。2、重労働などで長期就業できないのではないか。3、処遇の問題などで将来性がないなど、進路決定する学生には職業選択の上で不人気の要因ともなっている(後略・引用ここまで)
──どんなに福祉の仕事が人の役に立つものであっても、待遇や労働環境が悪ければ、働き続けることはできない。しかも介護報酬料は引き下げられ、職員が減少しており、残る者の負担は増加し、賃金は上がらない。毎日新聞(平成19年8月14日付)には「介護現場では年間5人に1人が離職し、その1割以上が就業から1年未満だったことが財団法人『介護労働安定センター』の介護労働実態調査でわかったと紹介されている。
介護の専門学校や大学を出て1年以内に2割近くが離職。異常事態である。平均年収は男性約315万円、女性約281万円(05年厚生労働省調査) と低く、厚生労働省では上級資格として「専門介護福祉士」(仮称)を検討しているが、どうしてお役所はこう資格を乱発して既得権益を増やすことばかり考えるのだろう。焼け石に水ではないか。
90年代は社会福祉全盛で、各大学で学部・学科が激増した。現在、その状況は二極化している。専門家養成色の強い下位大学では志願者が集まらず、偏差値の高い大学の社会福祉学科では福祉分野に就職しない。
ある名門大のパンフレットで、社会福祉学科卒業生が紹介されていたが、彼はメガバンクに内定しており、「福祉の精神を金融業界で生かします」とのたまわっていた。高偏差値校の社会福祉学科卒業生の大企業志向はこれからも強まると思われる。彼らが福祉という職業を軽視するのが懸念される。
←読後にクリックをお願いします
福岡医療短期大学栢豪洋学長のレポート(www.fdcnet.ac.jp/fdc/topics/kaigo_jcol.doc)が参考になるので引用掲載する。
(以下引用)
わが国において、介護福祉士は高齢社会到来に対応する介護サービスの専門職として位置づけられ、その教育は昭和63年より開始され現在に至っている。国家資格制度が創設され今年で20年が経過する。国家資格でありながら、資格取得へのルートが多くあること、また、資格自体が「名称独占」であり、「業務独占」でないことから、労働環境および現場を取り巻く環境は非常に厳しい状況が続いている。
現在、施設の職員配置基準には、介護職員として、有資格者である介護福祉士の配置基準はなく、介護職員として包括されているのが実情である。このような処遇から生じる問題として、国家資格を持ちながら、無資格者と同等の給与体系であること、資格自体が「業務独占」でないことから、資格がありながら専門性を評価されにくいなどが、介護福祉士の社会的評価や職場における処遇の冷遇を招き、期待に胸膨らませ就職しても、職業人としての自信を無くし退職してしまうことも現実である。
平成14年3月、社団法人日本介護福祉士会調べによる、「介護福祉士現況調査報告書」では、離職理由(複数回答)として、健康上の理由23.1%,仕事内容がきつい、17.6%,給与が安い15.0%,仕事にやりがいが感じられない11.0%,社会的評価が低い8.6%,と厳しい職場現状がうかがわれる。また、「介護サービス施設・事業調査」によると、介護施設における介護福祉士有資格者の従事者の割合は、平成12年で32.9%,平成16年で41.7%と50%に満たない状況である。
現在、介護福祉士は、資格取得ルートの多様化に加え、職種としての待遇の悪さは、「きつい」「汚い」「危険」の3Kなどいわれ社会問題ともなっている。
このようなことから、近年、介護福祉士養成施設への入学者数は年々減少し、養成校にとっては存続の危機にさらされており(中略)学生募集のために高校訪問を行っているが、1、国家資格でありながら職場での処遇が悪い。2、重労働などで長期就業できないのではないか。3、処遇の問題などで将来性がないなど、進路決定する学生には職業選択の上で不人気の要因ともなっている(後略・引用ここまで)
──どんなに福祉の仕事が人の役に立つものであっても、待遇や労働環境が悪ければ、働き続けることはできない。しかも介護報酬料は引き下げられ、職員が減少しており、残る者の負担は増加し、賃金は上がらない。毎日新聞(平成19年8月14日付)には「介護現場では年間5人に1人が離職し、その1割以上が就業から1年未満だったことが財団法人『介護労働安定センター』の介護労働実態調査でわかったと紹介されている。
介護の専門学校や大学を出て1年以内に2割近くが離職。異常事態である。平均年収は男性約315万円、女性約281万円(05年厚生労働省調査) と低く、厚生労働省では上級資格として「専門介護福祉士」(仮称)を検討しているが、どうしてお役所はこう資格を乱発して既得権益を増やすことばかり考えるのだろう。焼け石に水ではないか。
90年代は社会福祉全盛で、各大学で学部・学科が激増した。現在、その状況は二極化している。専門家養成色の強い下位大学では志願者が集まらず、偏差値の高い大学の社会福祉学科では福祉分野に就職しない。
ある名門大のパンフレットで、社会福祉学科卒業生が紹介されていたが、彼はメガバンクに内定しており、「福祉の精神を金融業界で生かします」とのたまわっていた。高偏差値校の社会福祉学科卒業生の大企業志向はこれからも強まると思われる。彼らが福祉という職業を軽視するのが懸念される。
by tyamauch
| 2008-05-06 07:12

