ここで問題なのは、2に対応した私立大学がない県です。
具体的には、
青森、岩手、秋田、福島、山形、茨城、新潟、長野、山梨、富山、鳥取、島根、山口、高知、長崎、宮崎などです。
都市部の日東駒専、大東亜帝国クラスの私大に行くためには、高い下宿代が必要になり、コロナ後は地元から出られない若者の続出が心配されます。
一方、2に対応した私大が存在しているのが、
栃木、群馬、石川、福井、静岡、岡山、大分、熊本、鹿児島などです。これは偶然存在しているのではなく、その県の私大が努力しているのです。
宮城、愛知、広島のような、名門私大群がある県、山形、富山、岐阜、三重、滋賀、和歌山、香川、佐賀のような、通学できる近隣県の私大で事足りてしまう地域が多い県はこの話題から除外しています。
2に対応した私大が無い県は、大学進学で大きなハンデを背負っています。新設公立大も増えていますが、国公立大学合格者数を競う他県の高校にも狙われ、地元占有率は高くありません。
これらの県にある私大は、3だけに対応している現状から、2にも対応した大学に変化することで、地元の2クラスの高校の生徒を惹きつければ、地域にも大きく貢献できるし、大学もブランドが上がり、生き残れます。
岩手 富士大学
秋田 ノースアジア大学
茨城 常磐大学
長野 松本大学
山梨 山梨学院大学
宮崎 宮崎産業経営大学
これらの大学は、白鴎、共愛学園前橋国際、金沢星稜、常葉、就実、熊本学園、鹿児島国際のように、「地域一番店」になる努力をすれば、必ず生き残れる大学です。スポーツだけ、推薦だけのイメージを改め、3だけでなく2の高校を取り込む努力をしてほしいと思います。
やや問題が複雑なのは、青森、福島、新潟、山口です。県庁所在地以外の都市圏に大学が分散しており、地域一番店が作りにくい状況で、目玉となる私大が誕生しにくい地理的条件にあります。新潟に関しては、開志専門職大学がそうなるかもしれません。
長崎県は、長崎市に社会科学系の共学の私大がないという、特殊な状況で、実は長崎市に経済、経営、法律系の私大を作れば、十分な市場があるのではないかと私は思います。鳥取、島根、高知も、文系私大が1つは必要ではないかと思うのです。